「配給ビール」を楽しむハノイの人々

2024/08/25 10:10 JST配信

 グエン・カオ・ギンさん(男性・82歳)は、スポーツをしてビールを飲むために、毎日3km歩いてゴックハー通りからバスに乗り、センターにやって来る。これまでの人生で様々な種類の高価な海外の酒を口にする機会もあったが、ギンさんにとってはここの素朴なビールが格別なのだという。

(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress

 ビック・トゥイさん(女性・75歳)は、カウザイ区スアントゥイ通りの自宅からセンターまで8km離れており、往来にはバスを乗り継がなければならないが、ここでビールを飲むことが長年の楽しみになっている。トゥイさんは夫とともに週に2~3回はここでビールを飲み、さらに来られない日のために3~5Lのビールを買って帰る。

 トゥイさんは、幼いころから父親に連れられてここに来ていたという。高齢になった今、主食を食べないことは多いが、ビールを欠かすことはない。往来に時間はかかるが、ここのビールはかつての醸造所の素朴な味わいが残っているように感じられることから、今も夫婦で通い続けている。

 バーディンスポーツセンターの「飲み屋」は、スポーツの後の人々の集まりや交流の場所であるだけでなく、多くの市民や若者が集まる文化的な場所にもなっている。さらに最近は毎週のように、ハノイ市の観光ツアーの一環として「配給ビール」の文化を体験するため、外国人観光客の団体もここを訪れている。

 「市内で『配給ビール』が飲めるのは、もはやここだけだろう、といつも話しているんです」と、ギンさんは語った。

【過去の関連記事】

配給時代の「ビアホイグラス」、40年間の歴史(2017年9月24日配信)

配給時代の悲喜こもごも(2017年9月10日配信)

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 07:00 09/08/2024, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市は、国内大手ビールメーカーであるハノイビール・アルコール飲料[BHN
 数十年前から、ハノイ市の人々はよく青いガラス製の500mlのグラスでビールを飲む。ドイモイ(刷新)前、1...
 ハノイ市の食糧事情が厳しかった時代、人々は配給の物品を扱う店に列をなした。食料を得るために国中が...

新着ニュース一覧

 ハノイ市人民委員会は、「ホン川(紅河)景観大通り」の建設プロジェクトについて、12月19日に着工し、ベ...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年10月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+4.4%増の...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 南部メコンデルタ地方アンザン省人民委員会とベトナム空港社[ACV](Airpor
 フランス軍との9年間におよぶ抗戦中、ハノイ市の旧ドンアイン郡ナムホン村(現在のフックティン村)と旧...
 南中部地方ダナン市にある「ダナン三日月ジャパニーズリゾート&スパ(Da Nang - Mikazuki Japanese Res...
 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、年末と
 兵庫県神戸市にある神戸港は17日、南部地方タイニン省(旧ロンアン省)のロンアン港との間で、航路拡大や...
 トー・ラム書記長は18日、ベトナムを公式訪問中のスロバキアのロベルト・カリニャーク副首相 兼 国防相...
 エースコックベトナム(Acecook Vietnam)は15日にホーチミン市のイオンモール・タンフーセラドンで開催...
 タイの大手財閥TCCグループ(TCC Group)傘下のMMメガマーケット(MM Mega Market=MMVN)は18日、南中部地...
 各地方自治体での人事異動により、◇北中部地方フエ市、◇同ゲアン省、◇東南部地方ドンナイ省の人民委員...
 ベトナム外務省は17日、株式会社日本電波ニュース社(NDN、東京都港区)に対し、ベトナム事務所再開の許...
 光学製品事業や機能製品事業を手掛ける恵和株式会社(東京都中央区)は、ベトナム駐在員事務所をハノイ市...
 沖電気工業株式会社(OKI、東京都港区)は、北部紅河デルタ地方ハイフォン市のチャンズエ工業団地の生産...
トップページに戻る