アジア初の宇宙飛行士ファム・トゥアン、「ソユーズ37号」打ち上げから40年

2020/08/02 05:44 JST配信

 トゥアン氏にとって、宇宙で過ごした8日間は人生で最も特別な日々だった。宇宙では宇宙食を食べ、飲料水も限られていた。注意しなければ大きな水滴は周りに飛び散ってしまう。トイレに行くときも特別な設備が必要だ。眠るときは、コンパートメントにしっかりと縛り付けた寝袋に入り込まなければならない。

(C) vnexpress
(C) vnexpress
(C) khampha
(C) khampha

 トゥアン氏はサリュート6号に滞在中、宇宙物理学や宇宙医学生物学、無重力環境での冶金、ベトナムを含む多くの地域の観察など、約30の様々な科学実験を行った。宇宙から母国を眺めたときには、とても美しく、誇りに感じ、2人目のベトナム人宇宙飛行士にも見てほしいと願った。

 その後、トゥアン氏とヴィクトル・ゴルバトコ氏はサリュート6号で宇宙船を乗り換え、ソユーズ36号で地球に戻った。残されたソユーズ37号は、サリュート6号に長期滞在していた宇宙飛行士が地球に帰還する際に使用した。

 帰還後、トゥアン氏はソ連でレーニン勲章とソ連英雄の称号を授与された最初の外国人の1人となった。その後はベトナム人民空軍に勤務し、1999年には空軍中将となり、2000年には国防産業総局長に就任。2002年には軍隊銀行[MBB](Military Commercial Joint Stock Bank)の頭取となり、2008年に退役した。

 トゥアン氏はミッションのチームメイトについて語るとき、自身のバックアップを務めたリエム氏に必ず言及する。リエム氏は1981年9月26日、トンキン湾上空での訓練飛行中に殉死した。トゥアン氏と空軍防空部隊の退役軍人たちは今もなお、毎年の命日のほかにも可能な限りリエム氏の家族を訪問している。

前へ   1   2   3   次へ
[Kham Pha 08:59 23/07/2020, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 米国の越僑女性アマンダ・グエンさん(32歳)は、ベトナム系女性として初めて宇宙飛行を行う予定だ。アマ...
 グエン・スアン・フック首相は4日、2030年までの宇宙科学技術応用開発計画に関する首相決定第169号/QD-...
 ハノイ市の軍事歴史博物館(住所:バーディン区ディエンビエンフー通り28A番地)に展示されているMiG-21...

新着ニュース一覧

 カンボジア公式訪問を開始したチャン・タイン・マン国会議長は21日、カンボジアの首都プノンペンで、同...
 ベトナム共産党政治局・書記局は20日に開かれた会合で、政治局員・国会共産党連合会書記・国会議長在任...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ワインの輸入販売などを手掛けるエノテカ株式会社(東京都港区)は11月25日、ホーチミン市1区のホーチミ...
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 住商アグロインターナショナル株式会社(住商アグロ、東京都千代田区)は、ベトナムの農業資材販売会社で...
 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anph...
 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は19日、ダムゾイ郡でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam...
 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
トップページに戻る