- 韓国人ガイドが虚偽の歴史を説明
- バオダイ帝の父親に関する虚偽の紹介
- ラムドン省文化スポーツ観光局が調査中
南中部高原地方ラムドン省ダラット市で、韓国人ツアーガイドが韓国人観光客を案内する際に、ベトナムの歴史と文化について虚偽の説明をしていたことがわかった。その様子を撮影した動画がインターネットに投稿され、大きな話題になっている。
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問題の韓国人ツアーガイドは、ベトナム人ツアーガイドの同行なしで、韓国人観光客を相手にダラット市内の歴史文化遺跡を案内していた。
動画によると、韓国人ツアーガイドは、阮(グエン)朝(1802~1945年)最後の皇帝バオダイ(保大)帝(在位:1926~1945年)の別荘の1つである第3バオダイ邸で、「バオダイ帝は欧州に暮らし、母親はホアン・ティ・クック。父親には息子が100人いて、うち50人が母親と共に山へ、50人が父親と共に海へ行った。バオダイ帝はベトナムのために多くの領土を獲得した。身長は176cmで、ダラット市に3軒の別荘を建てた」と説明していた。
これをめぐり、ラムドン省文化スポーツ観光局調査部は調査を進めている。今回の場合、虚偽の説明だけでなく、ベトナム人ツアーガイドが同行していなかった点も違反に当たるという。
なお、「息子が100人」という説明についてはおそらく、ベトナム史上初の国家とされるバンラン(文郎=)国にまつわる伝説「ラック・ロン・クアン(貉竜君)とアウ・コー(嫗姫)」から引用したものとみられる。
この伝説によると、龍の一族として生まれたラック・ロン・クアンは、山を支配する仙人の一族であるアウ・コーと結婚し、2人は100人の息子に恵まれた。しかし、ラック・ロン・クアンはアウ・コーに、「龍と仙人の子は水と火のように相容れないため、一緒に居ることはできない」と告げ、2人は別れることになり、50人の子はアウ・コーと共に山に残って山を治め、残りの50人の子はラック・ロン・クアンと共に海へ降りて海を治めることとなった。その後、100人の中の長男が、雄(フン)王として文郎国を建国する。