ベトナム共産党書記局は13日、違反が発覚した党員の責任を追及する党中央監査委員会の調査報告を検討する会合を開き、マイ・ティエン・ズン前政府官房長官(任期:2016~2021年)を警告処分とすることを決定した。
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党中央監査委員会の報告を受けた書記局は、ズン氏が民主主義的中央集権主義(民主集中制)に違反し、新型コロナを背景に運航された帰国者など向けの特別便手配において管理・監視・検査を怠ったことで、甚大な被害を引き起こし、国民の怒りを買って党の尊厳を著しく損なったとの見解を示した。
書記局は、違反の内容、性質、度合い、被害、原因を検討の上、ズン氏を警告処分とした。党規では、違反した党員に対し違反の度合いによって、◇譴(けん)責、◇警告、◇罷免、◇党除名のいずれかの処分を科すと規定している。
なお、新型コロナを背景に運航された帰国者など向けの特別便手配を巡る汚職事件では、最初の容疑者が2022年1月下旬に逮捕されてからこれまでに、トー・アイン・ズン外務次官(男・59歳)や、ファム・ビン・ミン第一副首相(外交担当)補佐官のグエン・クアン・リン容疑者、外務省傘下領事局の要職のほか、政府官房傘下の国際関係局や保健省傘下の医療設備工事局、公安省傘下の出入国管理局の幹部、旅行会社をはじめとする複数会社の役員など、事件に関与した40人以上もの容疑者が起訴され捜査を受けている。
これに関連し、ミン第一副首相は2020年12月下旬に政治局員と党中央執行委員としての職を解任され、2023年1月上旬に副首相の職も解任された。解任の理由については明らかにされておらず「本人の希望」と報じられているが、同事件が背景にあることは明白だ。