シンガポール系配車アプリ大手のグラブ(Grab)は現在、一部のグラブカ―を医療機器や患者を医療施設に輸送するサービスに転用することを提案している。
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新型コロナの国内第4波による感染拡大がホーチミン市で深刻化している中、グラブは同市の保健局および交通運輸局に対し、◇12区、◇7区、◇ゴーバップ区、◇ビンタイン区、◇トゥードゥック市(2区・9区・トゥードゥック区を合併した東部都市)などで、グラブ車両100台を用いた医療輸送サービスを導入することを提案した。
導入が提案されているのは、「医療グラブカー(Grab Car y te)」と「救急グラブカー(Grab Car cap cuu)」の2種類のサービス。アプリで配車が出来ない場合に備えて、専用のホットラインも開設する予定。
このうち「医療グラブカー」は、医療機器・物資を医療施設や封鎖区域に輸送するほか、新型コロナ検査の検体を機関まで輸送するのに特化したサービス。一方、「救急グラブカー」は、救急患者を病院まで搬送するサービスで、市内の救急搬送システムの負担を軽減するのが狙い。
ただし、「救急グラブカー」については、感染者を搬送することが想定されており、ドライバーが非常に高い感染リスクに晒されることになる。そのため、導入に際しては感染対策に関する入念な準備が必要になる。なお、客として一度に乗車できるのは、患者1人と付き添い1人まで。
グラブは、「医療グラブカー」を8月15日から9月1日まで展開し、「救急グラブカー」を9月1日から市内の移動規制が解除されるまで展開したい考え。