15日朝、北中部地方ゲアン省ギーロック郡ギーティン村にある民家は、中国に売られ行方不明だった娘と23年振りに連絡が付いた家族を祝福しにやって来る近隣住民ですし詰めとなった。
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この家で生まれたレ・ティ・ランさん(43歳)は、19歳の時に知人に連れられて同省の旧ギアダン(現タイホア町)タイヒエウ村へ出稼ぎに行った。ところがその10日後からランさんは行方不明になってしまった。
7月初旬、ランさんの義理の妹のタオさんは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で中国在住のベトナム人女性が家族を探しているという情報を目にした。写真を見ただけでは初めは気付かなかったが、その女性が口にした住所や両親の名前を聞いて義理の姉だと直感したという。この時からランさんは片言のベトナム語でギーティン村の実家と連絡を取れるようになったのだ。
19歳で中国に売り飛ばされたランさんは、広西チワン族自治区で65歳の中国人男性と結婚させられた。何度も脱出を試みたがその度に捕まっては監禁され、何らかの薬物を服用させられ記憶喪失になった。その後は複数の中国人男性と結婚・離婚を繰り返し、5人の子供を儲けた。
今から6年前には43歳の男性に買われて妻となった。この男性は薬物を飲ませることもなく良く扱ってくれたこともあり、ランさんは徐々に記憶を取り戻し、故郷ベトナムへ帰りたいと願うようになった。
2年前には夫にお金を工面してもらい、帰国することになった。ところが国境に着くと何者かにお金を騙し取られてしまい、夫の元へ帰らざるを得なかった。それ以降、ラムさんはまたどこかで売り飛ばされてしまうことを恐れ、自力でベトナムへ帰ることを躊躇するようになった。
そこへ中国に住む西北部地方ホアビン省出身のベトナム人女性に、SNS上に尋ね人を投稿する方法を教えてもらい、このほど実家の家族と連絡が付いたのだ。この情報を受けたギーロック郡警察は、ラムさんの早期帰国に向けて支援する方針だ。