世界銀行(WB)が5日に発表したベトナムの貧困に関する最新レポートによると、2016年のベトナムの貧困人口は910万人で、このうち少数民族が660万人(約72%)を占める。ただ、少数民族の貧困人口は2010年の840万人から、6年間で180万人減少している。
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貧困人口が多い地域は北部山岳地方と中部高原地方で、両地方で全体の56%を占める。貧困率はどの地方でも低下する傾向にあり、2014~2016年期には年平均▲1.85%低下した。これは、貧困削減に関する2016~2020年期国家目標プログラムで掲げた貧困率の年平均▲1.0~1.5%改善という目標を超えている。
ベトナムの2016年の貧困率は約10%で、2014年からの3年間で農村部は▲5%、都市部は▲2.2%低下した。
少数民族の貧困人口は大幅に減少したものの、まだ多くの課題が残っている。20~24歳の世代の高等教育就学率は約32%に留まる。また、衛生的なトイレを利用している少数民族の割合は45%に留まる一方、キン族とホア(華)族では89%に達している。WBは、価値の高い工業用樹木の植林奨励政策が少数民族の所得向上につながると評価している。