フンイエン省:国内最多の手を有する千手観音像が窃盗被害に

2016/10/04 14:00 JST配信

 紅河デルタ地方フンイエン省バンザン郡メーソー村のメーソー寺で9月29日、国内で最も多い1113本の手を有する千手観音菩薩像が盗まれる事件が起きた。29日の午前6時、2階の仏堂から物音が聞こえた僧侶が行ってみると、堂内が荒らされ千手観音菩薩像が消えていたという。

 寺に設置された防犯カメラには29日午前1時30分頃に千手観音菩薩像を盗み出す様子や、その後、マスクで顔を覆い手袋をした男が痕跡を消しに現場へ戻ってくる様子が映っている。犯人は同地域の地理に詳しい4~5人の窃盗団で、犯行の前には防犯カメラを覆うなど計画的な犯行だと見られており、同郡の機関が捜査を進めている。

 千手観音菩薩像は、国内の千手観音菩薩像で最多の1113本の手と1113個の目を有し、19世紀から同寺に祀られている。像高280cm、坐高140cm、台座53cm、蓮台23cmで、ジャックフルーツの木にハノイ市バーディン区のタンロン城王宮跡(タンロン遺跡)の特徴を持つ彫刻が施されている。

 この千手観音菩薩像は1988年にも一度盗まれたが、近隣各省・市警察の捜査協力により、ハノイ市バンホー通りの芸術家宅で発見された。何者かが事件について何も知らない芸術家の元へ千手観音菩薩像を持ち込み修復を依頼していた。

 メーソー寺は李(リー)朝(1009~1225年)時代に創設されたが、ホン川(紅河)堤防近くに立地しているため幾度となく洪水被害に遭った。現存する建造物の大部分は19世紀後半に再建されたもの。寺の造りは小さくシンプルだが、レンガ造りで2階建ての鐘楼が特徴的で、1988年には国家級芸術建築遺跡に認定されている。

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