トウガン / Bí đao~ベトナム野菜図鑑(果菜類3)~

2016/10/21 JST配信

|[日] トウガン(冬瓜)、カモウリ(氈瓜 / 加茂瓜 / 賀茂瓜)

[越] Bí đao(ビーダオ)、Bí xanh (ビーサイン)、Bí phấn(ビーファン)、Bí trắng(ビーチャン)

[英] winter melon、wax gourd

[学] Benincasa hispida(ウリ科)

[原産] 東南アジア

[サイズ] 長さ20~30cm|

「冬」がつくけど東南アジア原産の瓜

日本でもよく食べられているトウガン、名前に「冬」がついていますが、冬に収穫できるわけではなく、7~9月に収穫しても冷暗所で保管すれば冬までもつ、ということでこの名づけられたのだそう。 原産地は東南アジア で、アジア各国で広く食用とされています。

ベトナムでは通年出回っていますが、 春夏植えのものは1~3月、秋冬植えのものは8~10月が収穫期です。 日本のトウガンは少し丸くてかなり大きいものが多いですが、ベトナムのものは、長さは30cm程度のものが主流。細長い形をしていますが、ずん胴なもの、お尻が少し膨れた形をしているものなどがあります。

(C) VIETJO Life, トウガンのスープ

日本では煮物によく使われるトウガンですが、ベトナムではスープの具に使われることが圧倒的に多いです。そのほか、炒め物、蒸し物にしたり、 mứt bí(ムットビー) と呼ばれる砂糖漬けの干菓子にしたりします。

高血圧におススメの野菜

トウガン自体は95%が水分で、栄養豊富とは言えませんが、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには体内の塩分を排出する働きがあるので、 塩分が気になる高血圧の人は積極的に取ると良い でしょう。むくみが気になるときにも効果的です。また、体の抵抗力を高めるビタミンCを含んでいます。

更に、 体を冷やす作用 があるので、ベトナムの人たちは暑い時期に積極的に食べています。缶入りでも売られているトウガン茶(Trà bí đao)は暑いときの定番の飲み物。砂糖が入っていて、黒糖を水に溶かしたみたいな味であまり癖はありません。風邪を引いて熱があるときに飲むと熱さましの効果が期待できます。但し、体を冷やしてしまいますので、 冷え性の人は取り過ぎないように気をつけて ください。

(C) VIETJO Life, トウガン茶

調理の仕方

下ごしらえはいたって簡単。皮を剥いて適当なサイズに切るだけです。ベトナムで一般的に出回っている品種は、ワタをとったりする必要はありません。

(C) VIETJO Life

スープにするときは半月切りやいちょう切りにするのが定番。煮るときは水から煮ます。だいたい10分ぐらいで火が通ります。表面が少し透明になってきたなという頃が食べごろです。煮込みすぎるとうっすら残った緑色の部分の色が悪くなり、ぐずぐずとした舌触りになるだけでなく、味が落ちるように思います。ほくほくした歯ごたえが残るぐらいがおいしいです。

(C) VIETJO Life, トウガンのお味噌汁

選び方と保管方法

ベトナムでは通常丸ごと売られています。表面の色がつややかで、傷がないものを選びます。持ったときに重いもののほうが身が詰まっておいしいです。爪で表面にすぐ傷がつきますので、選ぶ時に気をつけましょう。

保存が効く野菜ですので、風通しの良い冷暗所に置いておけば数か月持ちます。一部だけ使った残りについては、ラップで全体をぴっちりとくるんで野菜室に保管し、早めに食べるようにしましょう。

|【ポイント】暑気払いに最適な食材。利尿作用があり、高血圧の人やむくみが気になる人におススメ。日持ちするので買い置き野菜として重宝します。|