リュウガン / Nhãn

2016/08/03 JST配信

|[日] リュウガン(竜眼、龍眼)、ロンガン

[越] Nhãn(ニャン)

[英] Longan

[学] Dimocarpus longan L.(ムクロジ科)

[原産] 東南アジアから中国南部

[サイズ] 直径2~3cm|

ライチに似た芳香、ベトナム語ではズバリ「眼」

リュウガンは日本ではまだあまり馴染みのない果物ですが、中国南部から東南アジアで広く食べられているアジア原産の果物です。外見が茶色であまりトロピカルフルーツっぽくないですが、 ライチ と同じムクロジ科で、ライチにも劣らない 甘くて強いうっとりするような香り と ゼリーのようにみずみずしい果肉 を持つ果物です。

ゼリーのように柔らかい果肉で水分が多いので、ライチよりもこちらのほうが好きという人も結構います。ただ、実がライチより小さいのに、種はライチより大きいため、1粒当たりの果肉がかなり少ないです。

(C) VIETJO Life

少し透き通るような白い果肉の中に、黒々とした硬い種が一つ入っています。果肉を少しはがして種が見えた状態が、龍の眼のようだ、ということで中国語で「龍眼」と名づけられ、それがベトナムに伝わり、漢字をベトナム読みにして「Long nhãn(ロンニャン)」となったのですが、なぜか「Long」が落ちて「Nhãn」だけが残ったようです。

(C) VIETJO Life

収穫期は7月~10月

リュウガンの収穫期は地域や品種によって差があり、だいたい7月~10月と12月~1月に収穫されますが、最も収穫量が多いのは7月~8月です。

Wikipedia

ベトナムで最も有名なリュウガンは、紅河デルタ地方フンイエン省の省都フンイエン付近で栽培されているもの。 Nhãn lồng(ニャンロン)と呼ばれる品種です。実が大きいのに種が小さく、香りと甘みが強いです。外皮は厚く、少しぼこぼこしています。収穫期は少し遅い8~9月となっています。

また、トゥアティエン・フエ省の省都フエから広まったというNhãn tiêu da bò(ニャンティエウザーボー)という品種も有名で、こちらは実が小さく、皮が薄くて「da bò(牛の皮)」の名のとおり明るい茶色をしています。

リュウガンの効能

リュウガンにはビタミンB2、亜鉛、鉄分、食物繊維などが豊富に含まれており、 動脈硬化や高血圧、糖尿病の予防、便秘や貧血の改善、疲労回復などに効果 があるといわれています。漢方薬ではリュウガンの果肉を乾燥させたものを竜眼肉(りゅうがんにく)または桂円肉(けいえんにく)と呼び、補血、滋養強壮、疲労回復のほか、不眠、貧血の改善、病後や産後の体力回復、整腸などに用いられるそうです。また、記憶力を高める作用があると言われており、老人性認知症の改善に役立つのではという話もあるそうです。

但し、幼児が食べ過ぎると歯茎や鼻から出血する副作用があるのだとか。ベトナムでは、リュウガンを食べ過ぎると、ライチと同じように体に熱をこもらせて吹き出物ができると言われていますので、おいしいからといって食べ過ぎないように気をつけましょう。

食べ方とおもてなしの切り方

食べ方はいたってシンプル、実をよく洗ってから、手で皮をむくだけ! 枝がついていた部分から爪を差し込んで剥くのですが、収穫から日が経つと皮が硬くなってかなり剥きにくくなります。その場合は、歯で噛んで縦方向に切り込みを入れてから剥くと剥きやすいです。実がみずみずしいので、爪や歯を入れたとき、周りに汁が飛び散ることがありますので、気をつけましょう。

また、来客に出すときには、そのまま出すのはちょっと・・・と思う人もいるかもしれません。かといって、皮を全部剥いて出しても、実の中には硬い種があるので、フォークでつつけないですし、スプーンですくってもころころ転がってしまいます。そこでおススメなのが、皮を半分だけ剥いておく方法。

(C) VIETJO Life

包丁のあごで枝についていた部分を起点に、皮にグルリと一周切込みを入れ、皮を半分取り外します。こうすれば、食べるときに手が汚れませんし、皮の中に種を捨てることができて、とても食べやすいです。横に切り込みを入れると実が外れにくいので、縦に入れましょう。

なお、生のリュウガンや乾燥させたあと戻したリュウガンは、ベトナム風ぜんざい「チェー(chè)」の材料としてよく使われています。

選び方と保管方法

実に傷がついていないきれいなものを選びます。表皮が硬くなっているもの、色がくろずんているものは鮮度が落ちています。最近は最初の画像にあるように、ライチの売り方をまねして枝を束ねて売っているケースが多いですが、実は リュウガンの場合、実を枝から外したほうが長持ちする のだそうです。ベトナムではキロ幾らで値段がついていますので、枝がついているとその分損。お供えに使う場合は枝つきの見栄えのものがよいですが、そうでなければ枝から離れているものを買ったほうがお得です。

リュウガンは冷蔵庫に入れると皮が乾燥してバリバリに硬くなり、新鮮さが急速に失われます。2日程度であれば常温で保存して、食べる前に冷やすのが良いです。もう少し長く保存したい場合は、乾燥しないようにビニール袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保管します。枝つきの場合は一つ一つ実をはずすのをお忘れなく。

|【ポイント】 ライチにも負けない芳香とみずみずしさを持つ果物。漢方薬にも使われるリュウガンは、疲労回復などたくさんの効能があります。枝つきで買うと枝の重量分損ですので、新鮮なものなら枝がないものを買いましょう。 |

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