アボカド / Bơ

2015/07/10 JST配信

|[日] アボカド、ワニナシ(鰐梨)

[越] Bơ(ボー)、Lê dầu(レーザウ / レーヤウ)

[英] Avocado、Alligator pear

[学] Persea americana (クスノキ科)

[原産] メキシコ・中央アメリカ

[サイズ] 品種により長さ7~20cm、重さ100g~1kg|

ベトナム語で「バターの実」

アボカドは中米の熱帯地域を原産とする植物で、18世紀頃にインドネシアに持ち込まれ、東南アジアに広まっていったようです。脂肪分が豊富なことから「森のバター」「バターフルーツ」とも呼ばれていますが、ベトナム語でアボカドを指す 「Bơ」は「バター」という意味 。通常、果物を表す類別詞をつけて「Trái bơ(チャイボー)」と呼びます。別名「Lê dầu(レーザウ / レーヤウ)」とも呼ばれますが、Lêは「梨」、dầuは「油」のこと。脂肪分たっぷりの梨のような形のフルーツということでこう名づけられたようです。

ベトナムでは南中部高原地方の ダクラク省ダクノン省ラムドン省 で盛んに栽培されています。収穫期は12月~8月で、 最盛期は5月から8月の初め です。1年中あるように思ってしまいますが、9月~11月は出回りませんのでご注意を。

(C) VIETJO Lìe

アボカドには様々な品種があるのですが、日本でも一般的に売られている熟すと紫色になるハス種は、ベトナムでも売られています。皮の表面が少しゴツゴツしているので、ここから「ワニナシ」と言われているようです。

色の変化で熟したのがわかり、比較的日持ちが良いそうです。熟すと皮を手で剥くことができますし、半分に切ってスプーンですくって食べることもできます。切る時は、中心に大きな種がありますので、縦半分に包丁を入れ、種に当たったら種の周りをぐるりと一周するように包丁を入れて、果肉をぱかっと開けばOKです。

(C) VIETJO Life

ベトナムでハス種よりよく目にするのは、皮が緑色のまま熟した状態になる品種です。ベトナムでは、緑色の皮に細かい黄色い点があるアボカドに「Bơ sáp(ボーサップ)」という立て札を立てて売ったりしています。「sáp」は「クリーミー」という意味で、ハス種より舌触りが滑らかなのだそうです。エグ味もハス種より少ないと思います。

Bơ sápにも色々種類があるようで、左のように細長いものは種が小さく食べる部分が多いので、好まれているようです。画像はわかりやすいように半身に開きましたが、通常は上の細長い部分を切り取ってから、下半分を半身に切ります。

(C) VIETJO Life

緑の皮のものは熟しても手で剥くことができませんので、ナイフで剥きます。(画像はベトナム流の剥き方。刃を向うに向けて人差し指を使って剥いていきます)。

血液サラサラ、老化防止の効果も

アボカドは「バター」と呼ばれるくらいなので、体にあまり良くないのではと思われてしまうかもしれませんが、アボカドに含まれている不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、 血液中の悪玉コレステロールを減らして血液をサラサラにする効果 や 抗酸化作用 があるそうです。また、各種ビタミン(E、A、C)、カリウム、マグネシウム、鉄、リンなどのミネラルが豊富で、これらも ガン や 動脈硬化 、 老化防止 に効果があると言われています。栄養が豊富なことから、 疲労や病気の回復食 、 離乳食 にも活用できます。

但し、天然ゴムのアレルギーがある人は、アボカドでもアレルギー症状が出る可能性がありますので気をつけてください。特に離乳食にする場合には、ごく少量を与えて様子を見てから食べさせるようにしてください。

ベトナムで一般的な食べ方

日本では、「わさび醤油で食べるとトロの味」などといわれて、サラダに入れたり、おかずの一品として食べることが多いですが、ベトナムで最も一般的なのはスムージー(Sinh tố、シントー)にした 「Sinh tố bơ(シントーボー)」 でしょう。アボカドとコンデンスミルク、お好みで砂糖を入れ、氷と共にミキサーにかけるだけで、とろとろのスムージーが出来上がります。

(C) VIETJO Life

筆者がおススメするのは、完熟してやわらかくなったアボカドの実1個にコンデンスミルクを大さじ1杯程度かけ、スプーンでつぶしながらかき混ぜて食べるというもの。少し冷やせば手軽なデザートにもなりますし、朝食がわりに食べるのもいいですよ。熟しすぎてしまったアボカドもこの方法ならおいしく食べられます。離乳食には、バナナやミルク、ヨーグルトと一緒に混ぜるとよいでしょう。

選び方と保存方法

なるべく表面に光沢があり、ヘタがとれていないものか、ヘタのとれた部分が黒く変色していないものを選びます。緑の皮のBơ sápの場合は、 細かい黄色い点がおいしさの印 です。アボカドは熟していない状態で収穫して追熟させるのですが、追熟に適している温度は20℃ぐらい。なので、20℃以上になる家の中に置いて追熟させてもあまりおいしくなりません。表面を押してみてやわらかい、1~2日のうちに食べるとちょうど良いものを選ぶのがよいでしょう。最初のうちはお店の人に聞いて硬さをみながら、食べごろを確かめるようにします。

未熟のまま冷蔵庫に入れてしまうと熟しませんので常温で。ヘタの部分にカビが生えやすいのでビニール袋ではなくかごなどに入れ、風通しの良い涼しい場所で保管します。 ベトナムでは熟していない果物を米びつに入れて熟させる習慣がありますが、アボカドにはこの方法をやってはいけません。 また、熟した後でも5℃以下で保管すると急速に風味が落ちますので、冷蔵庫で冷やす場合は食べる直前がよいでしょう。

|【ポイント】表面を押してみてやわらかくなったら食べごろです。風通しの良い涼しい場所で保管し、熟しても冷蔵庫での保管はなるべく避けましょう。|

<アボカドを使ったレシピ>

豆腐アボカドサラダ

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