バイク・自転車の預け方～放置は厳禁です～

公共の交通機関のないベトナムに住む人の多くは、自転車やバイクを移動手段としています。その際、絶対に必要となるのが「駐輪」。日本では自転車やバイクを駅前や店の前にあたりまえのように放置していますが、ベトナムの都市部ではありえない光景。少し目を離した隙に盗まれてしまいます。そのためベトナムでは、どこにでも「車預かり」を仕事としている人がおり、その人にバイクや自転車を見ておいてもらいます。今回は、バイク・自転車の預け方をご紹介します。

飲食店などの前に停める場合

大半の飲食店やショップには、入り口にガードマンやバイクや自転車を見る係りの人がいますので、必ずその人に預けます。

たいていの場合、写真のような手製の駐輪カードを渡され、同じ番号のカードをバイクにぶら下げるか、チョークで車体にカードの番号が記載されます。引き取るときにはカードを係りに渡すと、バイクのカード番号と照らし合わせ、一致したら引き渡してくれます。駐輪代は、最近は無料のところが多いですが、駐輪係がお店の人ではなく外部の人が預かりをやっているケースもあり、その場合には車両を引き出した際に別途駐輪代を支払うことになります。場所によって異なりますが、自転車2000VND（約11円）、バイク5000VND（約28円）程度です。

「Giữ xe miễn phí（ジウセー/イウセーミエンフィー）」は「バイク預かり無料」の意味。miễn phí＝「免費」です。最近はこれを売りにするお店が増えています。

逆に、上の写真は、一番下に「Quý khách tự bảo quản phương tiện（クイカックトゥバオクアンフオンティエン / フーンティン）」＝「お客様は、車両を自分で管理してください」と書いてあります。客が少ない店舗や、店内から通りが見渡せる店舗の場合は、係員がいないケースも多いです。バイクが中から見えない場合は、他の駐輪場を探すか、店に入るのをあきらめましょう。ほんの数分だから、と気を緩めるてはいけません。バイク泥棒は1分足らずで鍵を壊してエンジンをかけ、持ち去ってしまいます。

駐輪場に預ける場合

駐輪場には「Giữ xe」という表示が掲げられていますので、表示を探しましょう。見当たらない場合は、ガードマンなど周囲の人に以下のように尋ねます。

・駐車場はどこですか？

　Bãi giữ xe ở đâu vạy, anh/chị ?

　　Bãi giữ xe＝駐車場

　　ở đâu vạy＝どこですか

　　anh / chị＝同世代から年上の男性 / 女性の人称。最後につけると丁寧に聞こえる。

・近くにバイクを預かる所はありますか？

　Gần đây có chỗ giữ xe nào không ?

　　Gần đây=近くに

　　có ～ không ？＝～はありますか？

　　chỗ giữ xe＝バイクを預かるところ（chỗ gửi xe＝バイクを預けるところ、とも）

　　nào＝いずれの

駐輪券の種類は主に2種類あります。ひとつは、紙にバイクのナンバーを記載して、半券をバイクにつけて、半券を持っておくという形式。紙切れなので何かにまぎれてうっかり失くしてしまうことのないよう、十分注意しましょう。

最近、商業施設では電子カード式の駐輪場が増えています。車両の前後を写真撮影され、カードに情報が記録されます。きちんとカメラに収まるよう、車止めのところに前輪を合わせて停止します。マスクやサングラスをしている場合は、はずすよう指示されます。出る際にカードを渡すと、係員がカードの記録と照らし合わせます。

バイクの駐輪代は、公共の施設では、自転車1000VND（約6円）、ギア式バイク3000VND（約17円）、スクーター4000VND（約22円）程度。民間施設ではそれよりも割高で、時間式のケースや夜間割り増し料金などがあります。支払いは通常はバイク引き出し時ですが、バイク引き出し時に込み合いそうなイベントなどの駐輪場では前払いのこともあります。

ヘルメットやカッパの盗難に注意

ヘルメットやカッパはできる限り鍵のかかるシート下やヘルメットホルダーに保管するか、預かり所で預かってもらうようにします。駐輪場は、車両の盗難については責任を負いますが、車両に置いてあった物品が盗まれた場合には、責任を負いません。

特に、雨季がはじまったばかりで皆がカッパを携帯していないときに、カッパ盗難が多発します。また、新しいヘルメットは転売目的でよく盗まれます。あご紐をヘルメットホルダーにひっかけて鍵をかけておいても、紐を切って盗むケースがあります（紐は簡単に交換できるため）。十分注意してください。

Khu vực giữ nón bảo hiểm（クーヴックジウ / イウノンバオヒエム）

＝ヘルメット預かり区域

駐輪券をなくしてしまった場合

駐輪券をなくしてしまった場合は、バイクの所有証明書と身分証明書（パスポートまたはレジデンスカード）が必要となります。所有証明書はバイクに乗るときには携帯が義務付けられているのですぐ提示できますが、外国人は普段パスポートを持参しておらず、コピーでは認めてもらえないケースが殆どなので、自宅まで取りにいかねばならなくなります。駐輪券はなくさないよう、十分に気をつけましょう。

なお、電子カードをなくした場合は、カード代金として5万VND（約280円）程度を請求されます。

バイク泥棒の早業を肝に銘じよう