ホーチミン市内には、コオロギのヌクマム焼き、揚げコオロギのタマリンドソース添え、コオロギとマンゴーのサラダなど、一皿平均300円前後でコオロギ料理が食べられる店が数軒ある。コオロギと聞いて最初は箸をつけるのをためらうが、一度食べるとその香ばしさと独特の風味にやみつきになり、今ではほとんどの客が注文するという店もあるほど、その人気はじわじわ広がりつつあるようだ。
食用コオロギを養殖するトゥンさんは、500平米ほどの施設で約40万匹のコオロギを養殖している。レストランなどへ卸すほか、その場で各種コオロギ料理を食べることもでき、1匹1万ドン(約70円)で食用コオロギの販売もしている。コオロギ養殖だけで、トゥンさんの月収は恐らく1000万ドン(約7万円)をくだらないだろう。
コオロギ養殖を研究するタイ氏によると、養殖を始める元手として必要なのはたったの50万ドン(約3500円)ほど。コオロギは卵をたくさん産むうえ、孵化率も非常に高く、すぐに収穫できる。生後30日から45日もすれば数十キロの食用コオロギを収穫でき、1キロあたり25万~30万ドン(約1800円~2100円)で売れると言う。