ホーチミン市郊外で「tam tien」というマッサージサービスが流行っている。深夜12時近いというのにVIPルームは満室、待合室にまで人があふれている。自分の番が回ってくると、赤いミニスカートの店員に案内されVIPルームへ。ゴージャスな個室内にはサウナと浴槽があり、サウナに入った後店員がお風呂に入れてくれる。赤ん坊のようにいたれりつくせりのサービス。軽くマッサージをした後店員がささやく。「あと10万ドン(約750円)でもっと気持ちよくさせてあげるわよ。」ここからが本当の「お楽しみ」だ。
このサービスは実は数年前すでに市内タンビン区で流行っており、それが摘発されて禁止となった影響を受けて郊外で流行るようになったもの。たった8万ドン(約600円)出せばゴージャスな個室で美人店員の手厚いサービスを受けられると好評だ。この地区には同じような店がたくさんあり、建設中のものも多々ある。
利用者の多くは、これを非合法マッサージではなくプライベートサービスの変型版と捉えているようだ。プライベートルームでサービスを受ける場合、本来ならば面倒な手続きが必要だし、建前上では風呂にはもちろん自分で入り、入浴後に初めてマッサージ嬢が入室するのが普通だ。
しかし、ここではマッサージ嬢の入室のタイミングを「多少」早めるという手法で、他店との差別化を図っている。これが違法かどうかといわれれば、いわゆるグレーゾーンなのだが、どこにでもあるプラスαの要素を「ちょっと早めに入室しちゃったの」という、言い訳で正当化している所が抜け目のないところなのだ。