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複数の路地が交差したホーチミン市の住宅密集地を訪れると、数字がずらりと並んだ番地表示板が目に飛び込んで来る。こうした路地の中の家を訪ねる場合、自力で目的地を探すのは至難の業で、表通りから訪問先に電話をかけて、迎えに来てもらうしかない。自宅の番地を覚えることができない住民も少なくない。
同市ビンタン区アンラック街区ブイトゥートアン(Bui Tu Toan)通り36番地にある路地が一例だ。中でも、「36/45/32」の路地には、更に長く複雑な番地が多数存在している。例えば、2桁の数字5つとアルファベットがふられた「36/45/32/86/16E」や、2桁の数字6つがふられた「36/45/32/49/13/27」などだ。
ベトナムのそれぞれの通りの各家には、道の端から順番に番号がふられており、道の入り口(1番地のあるところ)から見て右側が偶数、左側が奇数になっている。「151/5」のように番地に「/(スラッシュ)」が付いているものは、「151番地のところにある路地の中の5番」ということを示す。
つまり、「36/45/32/49/13/27」は、「36番地のところにある路地の中の45番の家のところにある路地へ入り、また32番の家のところにある路地へ入り、更に49番の家のところにある路地へ入り、また更に13番の家のところにある路地へ入った27番の家」ということを意味する。
住民らは、地域の人民委員会に対し、こうした変則的な長い番地を無くすよう要請している。しかし、これは同市建設局のガイダンスにより行われるもので、人民委員会が勝手に番号を付けることはできず、住民も当局もお手上げ状態だ。
なお、同市建設局のガイダンスでは、幅が狭く1本の通りとして認められない路地にある各家の住所は、前述のように数字を重ねて番号を付けることになっている。
ベトナムの住所については、ベトジョーライフ(VIETJO LIFE)の「ベトナムの住所の見方(前編)~住所にまつわる豆知識~」及び「ベトナムの住所の見方(後編)~ホーチミンの番地ルール~」を参照。