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フランス植民地時代に作られた、雄鶏の形をした鍵の付いた銅製のアイロンが、骨董品売買業者の間で関心を集めており、特に貴金属売買業者の垂涎の的になっている。ただし、雄鶏の鍵が付いていればどんな物でも良いという訳ではない。
雄鶏の鍵は、ベトナム語で「ドンライン(dong lanh)」(「冷たい銅」の意)と呼ばれる合金製でなければ価値がない。骨董品業者のホア氏によると、ドンラインは熱の伝わりにくい合金で、数千度の熱を受けても熱くならないのだという。ある骨董品売買情報サイトでは、このアイロン1台に5000億VND(約28億4000万円)の値が付けられている。
高値で売買されるとあって、骨董品業者ばかりでなく、一般の学生から高齢者までが転売目的で競って雄鶏付きアイロンを探すようになった。ただしほとんどの人はこれを深く理解せず、「雄鶏付きアイロン」であればとりあえず高値で売れると信じて手を出すため、後で泣きを見ることが多い。
また、偽造品を専門に製造する業者も動き出していて、雄鶏付きアイロンの偽造品を製造しては地方の農家に送り、さも骨董品かのように埃をかぶった状態で保管して、本物と偽造品を判別できない経験の浅い骨董品業者が買い取るのを待っている。こうした中、専門家は、素人がアイロン探しで一攫千金を狙うのは危険だと警告している。