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ホーチミン市内を流れるニエウロック・ティゲー運河やタウフー・ベンゲー運河では、釣り禁止の看板があるにもかかわらず、毎日朝早くから夜遅くまで数百人もの人々が川沿いで釣りに興じている。自治体やボランティア団体は、運河に魚を戻すべく活動しているが、釣り師らはどこ吹く風で水面に糸を垂れている。
タンビン区在住のTさんもその一人だ。彼は長くこの運河で釣りをしており、釣った魚を家で調理して食べたり、大漁の時は道行く人に売ったりしているという。「自治体が釣り禁止の看板を設置しているのを知っていますか?」と尋ねたところ、「確かに看板はあるが、係員が調査に来たことはないし、誰も罰金を取られていない。だから、みんな好きな時にこうやって釣りしているだけさ」と語った。
同じく釣り禁止の看板が至る所に設置されているタウフー・ベンゲー運河でも、状況は同じようなものだ。4区人民委員会の幹部によると、同運河の魚を増やすため、3月末に20万匹(約1t)もの魚を放ったが、すぐに人々が集まってきて、釣って帰ってしまったという。
また、運河沿いで運動していた人が釣り針に引っ掛かって怪我をするなどの事故も相次いでいる。3区在住のNさんは、「政府は巨額の資金を投じて運河を浄化し、魚が棲める環境を作ってきた。市民の憩いの場となるはずの運河沿いだが、ルールを守らない一部の人々のせいで、おちおち散歩もできない」と話した。
なお、ある人民委員会の幹部は現在の状況について、「看板を設置して運河での釣りを止めるよう呼びかけてはいるが、現時点では具体的な処罰が決まっていないため、罰金などはとっていない」としている。