(C) xaloi, 被害者の父トゥ・ゴック・ホアイさん 写真の拡大 |
12月29日午前、南中部カインホア省バンニン郡で、中学生の少年が警察官の制服を着た二人組に殴られ、追い回された挙句、畑に転落した。少年は帰宅後、寒気や吐き気などを訴えていたが、翌日になって体調が急変。病院に搬送されて手術を受けたが、脳挫傷により死亡した。
死亡したのは、同郡のルオンテービン中学校に通うトゥ・ゴック・タック君(14歳)。タック君は29日早朝、兄と一緒に同郡バンロン村人民委員会前の屋台で飲み物を飲んでいたとき、他の少年グループに因縁をつけられた。タック君はこの時、兄に促されて一旦はその場を去ったが、後になって友人二人を連れて屋台に戻り、けんか騒動を起こした。
このけんかはすぐに手打ちとなり、友人らと共にバイクで他の場所へと移動していたが、途中でガソリンが無くなったため、友人らがガソリンを買いに行き、タック君はその場で友人らを待っていた。そこへ警察官の制服を着た二人組が来て、どのような経緯か定かではないが、タック君をヘルメットで殴り、逃げ回る彼を捕まえて連行していった。この様子は、周辺住民の多くが目撃しており、タック君は警官から逃げる際、畑に転落したという。
警察から、タック君を保護しているとの連絡を受けた兄は、弟を迎えに行き、自宅まで連れて帰った。タック君はその夜からめまいや吐き気を訴え、翌朝になって家族に付き添われて病院に向かい、緊急手術を受けたが、31日朝に脳挫傷により死亡した。なお、同日午前には事件を聞きつけて大勢の地元住民が人民委員会の周りを取り囲む騒動に発展した。