(C)Bao Dat Viet, 「同性結婚を支援する100万人署名運動」で署名する若者 写真の拡大 |
最新の統計によると、ベトナムの15~59歳の同性愛者・両性愛者は165万人、15~59歳人口の3%にあたる。彼らの殆どは、偏見や差別に苦しめられ、暴力さえ受けることもある。13日付ダットベト紙(電子版)が報じた
「同性結婚を支援する署名100万人運動」が5月12日、ホーチミン市労働文化センターで開催された。これは5月17日の国際反同性愛嫌悪の日に合わせて同性愛者の権利保護活動を行う非政府組織(NGO)「インフォメーション・コネクティング&シェアリング(ICS)」により開催されたもの。ゲイや性転換者などLGBT(※)に関する情報提供、LGBTのカップルや保護者らとの交流、法制化に向けた意見交換、フラッシュモブなどが行われた。また、同性結婚を支援する署名には多くの人々が参加し、若い人たちを中心に100万人の署名が集まった。
最近、1992年憲法改正案、婚姻家族法改正案作成の過程で、LGBTに関連する規定に社会の関心が集まっていることを受け、国会議員らを対象としたLGBTの権利保護に関するセミナーが国会常任委員会傘下の立法研究院により開催された。
立法研究院ディン・スアン・タオ院長はセミナーの中で、「1992年憲法第52条に、全ての国民は法の下に平等であると規定されている。このことは、個人の性別や性的志向を理由としたいかなる差別的扱いも許されないことを意味している」と述べ、実社会ではLGBTの権利に関する 政策や法律が整備されおらず、学業や仕事、結婚、医療など様々な場面で差別的扱いを受けていることを強調した。
賛成、反対、色々な意見があるだろうが、彼らの権利を守るためにはまず、この「第3の性」を持つ人々が社会でどのような扱いをうけているのか、実情を知る必要があるだろう。
(※)LGBTとは、女性同性愛者(レズビアン=Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ=Gay)、両性愛者(バイセクシュアル=Bisexual)、性転換者(トランスジェンダー=Transgender)、異性装同性愛者などの人々を総称する略語。