米国のマスコミでは、手持ち資金わずか2ドル(約170円)からその15年後に18億ドル(約1510億円)を手にしたというアメリカンドリームを実現したベトナム人実業家が、ハイテク界の神話として話題になっている。11月28日付ザンチーが報じた。
チュン・ズンさんは1984年、17歳の時に姉と共に米国に渡った。その時の所持金はわずか2ドルで、英語もほとんど話せなかった。翌年、ボストンのマサチューセッツ大学で数学とコンピューターを学ぶ機会に恵まれ、皿洗いなどの仕事をしながら勉強を続け、大学院を修了した。
1995年に母親が病気で亡くなった後、自ら開発した経営管理ソフトウェアを売ろうと考えたが、無名の青年からソフトウェアを買う企業はなかった。そんな時友人から、ソフトウェア会社サイベースの元役員マーク・パイン氏を紹介された。ズンさんはパイン氏の支援を受けてソフトウェア会社オンディスプレイを立ち上げ成功させた。1999年に株式会社化し、5か月後にビグネット社に18億ドルで譲渡した。
ズンさんはこの資金を元手に新しいソフトウェア会社フォグブレイクを立ち上げた。目標は、オラクル社に買収される前のピープルソフト社だが、ソフトウェア市場に新興企業が切り込むのはそう簡単ではない。今は秘書も雇わず質素な事務所で仕事をしている。かつての彼を知る人はいずれも、彼のことを非常に謙虚な人物で、成功したのはチャンスを確実につかんだからだと評している。