アジア開発銀行(ADB)は4月28日、気候変動に関する最新レポートを発表した。それによると、気候変動の影響を受け2020年以降ベトナムのコメの生産量は激減する可能性があるという。同報告は、もし有効な対策を講じなければ、ベトナムはインドネシア、フィリピン、タイなどとともに、今世紀末までに国内総生産(GDP)の6%相当額を失うことになると試算している。
ADBベトナム事務所の小西歩所長は、ベトナム政府や地方政府にはまだ気候変動対策の準備が整っていないとの認識を示し、「ホーチミン市のマスタープランには海面上昇の影響が一切盛り込まれていない」と指摘した。ADBの専門家らも、ベトナムには▽海岸線が長い▽沿海地域の人口密度が高い▽農林水産業が沿海地域の経済基盤になっている−などの特徴があるため、沿海地域を海面上昇から守ることが極めて重要とコメントしている。