北部ハイフォン市警察は19日、15日朝に誘拐されたグエン・タイン・トゥンちゃん(7歳)の身柄を保護すると共に、誘拐グループの2人を逮捕した。この誘拐には少なくとも10人以上が関わっているとみられ、国外で誘拐を指示していた人物がいることや身代金の振込先として外国の会社名義の銀行口座が利用されていることなどから、国際的な人身売買組織のからんだ犯罪である可能性が高いという。
ハイフォン市の公務員グエン・コン・ハイさんの息子トゥンちゃんは15日朝、親せきのグエン・バン・ゾアインという男に連れられて登校中、バイクに乗った3人組にさらわれた。その後、誘拐犯らはトゥンちゃんの家族に「20億ドン(約1400万円)払え。警察に言えば息子の腕を切り落とす」と脅迫電話をかけて金銭を要求した。ところが、誘拐犯らは自ら指定した金の受け渡し場所に現れなかったばかりか、17日深夜の電話で一方的に交渉決裂を宣言したため、家族の不安は頂点に達した。
この間、懸命に捜査を続けていた警察は19日午前、誘拐実行犯の1人グエン・ゴック・トゥを逮捕することに成功し、中国に売り飛ばされる寸前だったトゥンちゃんを無事保護した。またトゥの供述から、事件発生時にトゥンちゃんと一緒にいた親戚のゾアインも一味だったことが発覚し逮捕された。