国立マラリア・寄生虫・昆虫学研究所が最近行った調査で、ベトナムでは人口の75%にあたる約6000万人が寄生虫に感染していることが明らかになった。主な原因は、不衛生な生魚のあえ物、生野菜や完全に火を通していない田ガニなどの食品を食べる習慣にあるという。
同研究所のドアン・ハン・グエン医師によると、魚のあえ物や火の完全に通っていない魚を習慣的に食べている人が肝吸虫(かんきゅうちゅう)に感染しやすく、全国45省に感染者がいる。また、北部山岳地方では生焼けの田ガニを日常的に食べているため、15%の住民が肺吸虫に感染している。
同研究所には豚回虫の感染者だけで毎年300人が入院しており、患者の84%は脳の損傷によるまひ、視力を失うなどといった症状が出、死に至るケースもある。