政府は2006−2010年の節電プログラムの中で、白熱球に代えてコンパクト型蛍光灯を使用するよう推奨している。しかし、コンパクト型蛍光灯に含まれる水銀が健康に害を及ぼす点についてはほとんど知られていない。
ベトナムでコンパクト型蛍光灯が使用されるようになったのは2000年。寿命切れや破損した蛍光灯は普通のごみとして処理されている。科学者らによると、蛍光灯中の水銀はごみ処理場の土壌を汚染し、メチル水銀が大気中に拡散して最終的に食物に蓄積され、人々の健康を害する原因となりうる。水銀は神経、呼吸器などに害を及ぼし摂取量によっては死に至ることもある。
工業省によると、昨年ベトナムでは100万本のコンパクト型蛍光灯が消費された。現在、白熱球が年間5000万個消費されているが、2010年までに少なくともその3分の1をコンパクト型蛍光灯に交換する計画だ。
今はまだ節電への取り組みに重点が置かれ、コンパクト型蛍光灯から生ずる水銀の危険性や、蛍光灯の回収とリサイクルの必要性についての議論もなされていないのが現状だ。