ベトナム沖の海域で海底光ケーブルが切断・盗難され、国際通信が危機にひんしている問題(※関連ニュース参照)の詳しい背景が、調査により明らかになってきた。
最初の切断が発覚した3月末の時点では、単なる事故だと判断されており、現場に詳しい調査が入ったのは実に40日以上も経過してからだった。このため、野放しにされた切断個所ではさらに盗難が進み、最初は11キロメートルほどだった被害が拡大したものと見られている。
また、この切断によりさまざまな通信障害が起こったことで切断個所の位置などに関する情報の伝達にも支障が出て、関係機関が有効な対応策を講じることができなかったことも事態を悪化させる要因の一つとなった。
さらに、南部沿岸地域のある省では昨年、使用していない古いケーブルの引き上げ許可を出したため、一部の漁民らがケーブル引き上げのお墨付きがでたものと判断、使用中のケーブルまで切断しくず鉄として転売していたことも分かっている。
海底光ケーブル保護対策班の代表を務める郵政通信省のチャン・ドゥック・ライ次官は、二度とこのような事態が起きないよう、監視活動の強化や住民の意識改革を行う必要があると強調している。