メコン川流域(ティエン河流域:ティエンザン省 / ハウ河流域:アンザン省)で、養殖魚(Ca Dieu Hong)やエビの大量死が続いている。養殖魚の大量死が見つかったのは、ティエン河に架かるラック・ミエウ橋から下流へ下ったタンロン地区(ティエンザン省ミトー市)や、ハウ河流域に点在する集落(アンザン省ロンスエン市)など、養殖業が盛んな地域だ。
地元のある養殖業者は、養殖を始めたばかりなのに、すでに例年の倍の魚を失ってしまった。1ヵ月後の出荷はどうなってしまうのだろうと、不安を隠せない。また、ある養殖業者Tは、「年々、川の汚染はひどくなるばかりだ。我々は、川がきれいになるまで数ヶ月休業していたのに、再開し始めたら、この通り魚が大量死した。1996−1997年は15%−20%だった魚の死亡率が今は50%まで上昇している。」と失望を表している。地元住民は口々に、なぜこんなことが起きたかわからないが、恐らく川の水質汚染が原因ではないか、と話す。
ティエンザン水産資源保全支局のある幹部の話では、川の水が汚染されている時期の一時的な養殖停止や、魚への抗生物質投与、養殖網の掛け方など、大量死予防策を地元住民に常日ごろアドバイスしていたが、大量死は防げなかったという。他方、アンザン省漁業連合会長は、魚の大量死の原因は、狭い養殖所での過密な養殖、乾季であることなども考えられ、水質汚染が原因とは限らない、との見解を示している。アンザン農業開発局のグエン・ヴァン・タイン副局長は、政府は債券を発行して、河川の灌漑整備を進めると同時に、早急に養殖業従事者が安心して従事できるように養殖規定を設けるべきだと意見を述べた。この問題は、地元住民にとって死活問題であり、政府の早急な対応を願うばかりである。