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南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット市フーチン街区チャンフー通り134番地にある質屋で24日午前、「故人」のいない葬式が執り行われ、大きな騒ぎとなった。この葬式は、質屋を営む一家6人が、まだ生きているにもかかわらず、自分たちで自分たちのために行ったものだった。
玄関の前に葬儀を知らせる旗が掲げられ、花輪も飾られたが、故人の写真も棺もない。白い喪服を着て葬儀を執り行っていた一家6人こそが、この葬式の「故人」だったのだ。前代未聞の葬式が行われているという噂を聞きつけた人々が大挙し、同通りは激しい交通渋滞に陥った。通報を受け、地元警察が現場に直行して治安維持に当たる事態となった。
警察の事情聴取に対し、この質屋のオーナーで葬式の「故人」のグエン・ティ・トゥエット・ハインさん(女性・51歳)は、「夫が私の義理の妹と不倫関係にあった。夫は不倫が発覚しても反省するどころか、自動車2台を盗んで出て行った上、殺し屋を雇って私たちを殺すと脅してきた。殺される前に自分たちの葬式を行い、万が一私たちが急に死んだとしたら、夫のせいだと皆に知らしめようと思った」と語った。
一方、夫のN・D・Lさん(男性・52歳)は、「除霊のため」として占い師の指示で自分が軟禁されていたことから家を逃げ出しただけだと反発している。同市警察は、今回の騒ぎについて引き続き裏付け捜査を行っている。