東南部ドンナイ省人民裁判所は18日、同省第2ビエンホア工業団地に所在していた三洋電機子会社の元社員、西村勢津夫被告(57歳)に対し、資産横領の罪で禁固20年の判決を下し、賠償金1325億ドン(約5億3900万円)と53万ドル(約4452万円)の支払いを命じた。18日付トゥオイチェー紙(電子版)が報じた。
西村被告は18日の公判で、「自分のしていることは犯罪だと認識していたが、愛人と別れたくない一心で会社の金を何度も横領してしまった」と供述した。人民裁判所は、被告の行為は地域に悪影響を及ぼす社会的に危険なものであると判断、禁固20年の判決とした。
今回の賠償金額は、西村被告が財務責任者としての立場を利用し、2008年7月から2009年4月にかけて勤め先の会社の銀行口座から引き出して横領した金額に相当する。西村被告はこれまで「横領した金はすべてベトナム人の愛人ズオン・ティ・タイン・ニャン(30歳)に渡した」と供述しているが、ニャンは「レストラン開業資金として横領金額の一部を借りただけで、その一部はすでに西村被告に返済した」と主張、供述が食い違っている。ニャンは西村被告と知り合って以降212回も海外へ渡航、行く先々でカジノに大金を費やしており、金の出処に疑いが持たれている。
なお、ドンナイ省人民検察院は、西村被告が横領した1325億ドンと53万ドルのうち、ニャンが被告から借りたと認めている184億ドン(約7400万円)について、他人の犯罪行為により得た資産を使用した罪でニャンをすでに起訴している。