メコンデルタ地方カマウ省在住の女性同性愛カップルが結婚式を挙げていたところ、地元住民からの通報を受けた当局に摘発され、式が中止となる騒動が起きた。20日付ザンチー紙(電子版)が報じた。
このカップルは、グエン・ティ・Nさん(21歳)とグエン・バン・Nさん(20歳)。ティ・Nさんは同省ダムゾイ町の居酒屋で店員として働いていた頃、バン・Nさんと知り合った。次第に愛を深めていった2人は、結婚して同居することを決意、それぞれの両親に気持ちを打ち明けた。家族からの猛反対を受けた2人は心中をほのめかし、両親は已む無く結婚を許可したという。
式当日、新郎姿に扮したティ・Nさんが新婦役のバン・Nさんを出迎えに行く様子を目撃した地元住民が当局に通報。駆けつけた警察らに式の中止を命じられた。更に双方の両親に、2人の結婚と同居を認めないという内容の文書に署名させた。
専門家は、「今回のケースは、現行の婚姻法で定められた法定年齢(男性20歳以上、女性18歳以上)に触れるものではないが、ベトナムでは同性同士の結婚が全面的に禁止されている。同性愛者に対する偏見も根強いため、多くの者は自らが同性愛者であることを公言せず、息を潜めて日々を送っている」とコメントした。