メコンデルタ地方ロンアン省のカンズオック村では7日から10日にかけて、村の小学校で悪ふざけの罰として生徒をトイレに閉じ込めた女教師が、それを忘れて帰宅してしまった結果、生徒は死亡し女教師は良心の呵責(かしゃく)のあまり自殺したといううわさで持ちきりだった。このうわさは、瞬く間に近隣の省にまで広まり、電話番号案内サービスの116番には事件があったとされる小学校の電話番号を尋ねる電話が殺到する騒ぎになった。
ところが、この小学校では何の事件も起こっておらず関係者も首を傾げるばかりだった上に、新聞でもこの事件に関する報道が一切ないことから、うわさそのものが完全なデマだったことが分かった。
ロンアン省では半月ほど前にも、ホーチミン市と地元を結ぶ高速道路の建設現場でひび割れがあることに気づいた4人の若い技術者が上司にこれを報告したところ、その日の夜のうちに全員殺されてコンクリート詰めにされたといううわさが広まったことがあった。