南中部フーイエン省トゥイアイン郡の川で8月26日、エビ捕りに来ていた子どもたちのグループのうち年長の少年が、おぼれてしまった2人の子どもを助けた後、自らは力尽きて亡くなるという事故が起きた。
この日、同じ地区に住む子どもたち8人は近くの川にエビを捕りに出かけた。グエン・バン・トアイ君(5歳)が波にさらわれて流されると、8人の中で一番年上のブイ・ブオン君(11歳)はすぐに川に飛び込んでトアイ君を助け出した。ところが、弟のトアイ君がおぼれるのを見てあわてた兄のグエン・バン・デー君(7歳)も川の深みにはまっておぼれてしまった。ブオン君は休む間もなく、デー君を助けて川岸に上らせたが、自らは力尽きて水中に沈んでしまうという痛ましい事態となった。
地元では、自分を犠牲にして幼い友達2人を救ったブオン君の勇敢さをたたえる声が各方面から上がっている。特にトアイ君とデー君の母親は自分の息子たちの身代わりとなって死んでしまったブオン君に感謝してもし切れないと語った。ブオン君は貧しい家庭に生まれながら成績優秀で、幼いころから牛の世話やエビ捕りなどをして両親を手伝う近所でも評判の孝行息子だった。地元の教育関係者らはブオン君を表彰し、今回の事件を風化させないよう学校で語り継いで行く計画を立てている。