メコンデルタ地方キエンザン省で、結婚後数日の新婦が失踪したため、花婿側に結婚費用の賠償を迫られた花嫁の家族が金策に窮し、花嫁の妹を代わりに差し出すという事態が起きた。
新郎Tさんと新婦Gさんは親の勧めでお見合いし、8月3日に結婚した。Gさんは結婚式後も「その気にならない」とよそよそしい態度を取り続け、「結婚式にかかった費用は3年かけて返す」などと奇妙なことを口にし、数日後には家族の隙を付いて行方をくらましてしまった。
これに腹を立てたTさんの家族はGさんの家族にGさんを探し出すよう主張したが、地元の役所の仲裁もあって結局はGさんの家族が約1200万ドン(約9万円)を支払うことで事態は収束すると見られた。
しかし、Gさんの家族が大変貧しくどうしても金を工面できないことを知ったTさんの家族は、金の代わりにGさんの妹のHさんをTさんの嫁に貰いたいと提案し、Gさんの家族もこれを了承した。最初は姉の身代わりになることに抵抗していたHさんも、両親の窮状を理解してこの結婚を受け入れたという。
地元の司法関係者は、Hさんが姉の代わりにTさんのもとに嫁ぐことは両家が合意の上で決めたことなので他者が介入できる余地はないと語っている。