中部高原ラムドン省のジャングルで15日間も行方不明になっていた男性が救出されて話題になっている。この男性は同省の森林警備員のコンさん。コンさんは9月1日の朝同僚と一緒にジャングルに入り同僚と別れて一人で見回りに出かけて以来行方が分からなくなっていた。同僚からの報告を受けた森林保護管理局は数百人を投入して5万8000haにも及ぶ周辺一帯を捜索したが、10日が過ぎても足取りがつかめなかったためコンさんの生存は絶望視されていた。
コンさんの話では、道に迷ってからは湧き水を飲んだり野生のバナナを口にしたりしてかろうじて命をつないでいたというが、最終的に彼を救ったのは森林警備員としての長年の経験だった。職業柄、森に暮らす少数民族が獲物を捕るための罠を仕掛けていることを思い出したコンさんは罠を見つけ出すことに全ての精力を傾けた。そして、遂に野鼠のかかった罠を見つけると、その場で獲物の回収にやってくる少数民族を待ち続けたのである。結局それから暫くたったある日の朝、コンさんの読み通りにモン族の男性が現れ、衰弱したコンさんを背負って半日以上もかけて人里まで連れて行ってくれたおかげで、無事生還することができた。