中部クアンナム省のホテルで働くコイさんの娘は、ダナン市サッカークラブのゴールキーパーであるハンさんとめでたく結婚し、式を挙げたが、コイさん宅が経済的に苦しかったため、披露宴の費用すべてを新郎側に頼ることになった。式は盛大に催され、新郎のチームメートたちが選んだ人気のあるタイガービールで祝杯を上げたのであった。
その後、コイさんが職場へ行くと突然、上司から「仕事に対する責任感の欠如、我が社のビール生産業務を妨害した」として停職処分を言い渡された。コイさんの働くホテルは別ブランドのビール製造会社が運営しており、同社では社員に対し、他社のビールを飲むことを禁止する規定があるという。
同省の人々は地元で生産されるビールを支援するべきであり、幹部たちが率先して模範を示さなければならない、と口にするが、これは世間体を気にしているだけであり、実際は皆、おいしい他社製のビールが飲みたいのだ。同社のある定年間近の幹部は「これでは支援じゃなくて、救済だよ」と小さな声で洩らしていた。