ハノイ国民経済大学3年生のDはチャットに夢中だった。チャットで知り合った彼氏は付き合って2ヶ月経った今もまだ対面したことはないが、お互いの性格はぴったりだったのだ。ある日、彼氏は自分の誕生日会にDを誘ってきた。Dは舞い上がった。「君と僕とだけの特別なバースデーにしたい」と言われたからだ。
そして当日、Dは親友を誘って約束のレストランに到着した。彼氏とその友人はもう先に席に着いており、すでに食事と高級洋酒がテーブルに並んでいた。楽しくおしゃべりしたのもつかの間、彼氏に電話がかかってきて、彼氏とその友人は店内からちょっと外に出て行った。すぐ帰ると思いきや、待てど暮らせど彼氏は戻らない。そうしてしばらくすると、店員が伝票を持ってきた。見ると500万ドン(3万7000円)とある。ドキドキしていたチャットで知り合った彼氏との初デート。我に返れば多額の借金を抱えるは、レストランの主人に警察を呼ばれるは、踏んだり蹴ったりの1日だった。