(本記事は、2019年5月30日付け「VIETJO LIFE」で配信されたものです。)
こんにちは、青年海外協力隊の山田邦永(やまだくにはる)です。2017年10月より、ベトナムの非政府組織(NGO) VIRI でハノイを拠点に 活動 しています。
「宇宙船地球号」 ― 資源に限りのある我々の住んでいる地球において、国際目標SDGsの達成に向けて全世界が一体となって取り組んでいます。 SGDsは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals) を表します。SGDsに関連して、本コラムで全3回に分けて紹介いたします。前回 はSDGsとフェアトレードについて、今回2回目では、ベトナムにおけるSDGs達成に向けた取り組みの状況を、大きな枠組みのレベルで紹介します。
ベトナムにおけるSDGs達成に向けた取り組みの枠組み
ベトナム政府による取り組みの枠組み
2003年、ベトナム政府は、MDGsを考慮した CPRGS(the Comprehensive Poverty Reduction and Growth Strategy: 貧困削減及び成長の包括的な戦略) を策定することで、MDGsをローカライズしました。CPRGSは、ベトナム政府の社会経済開発10カ年戦略、社会経済開発5カ年計画、その他各分野における開発計画を、持続可能な開発の実施に向けた明確に定義されたロードマップとともに具体的な手法にまで落とし込んだ活動計画です。2015年9月までに、ベトナム政府は8つのMDGsのゴールのうち、「貧困及び飢餓の削減」、「初等教育の普及」、「教育のジェンダー格差の解消」の3つのゴールを達成し、また、「妊産婦及び乳幼児死亡率の低下」、「マラリア・結核・HIV/AIDS等の感染症対策」といった保健に関わるいくつかのターゲットも達成しました。
そして2017年、ベトナム政府は、SDGsを考慮した NAP (National Action Plan for the implementation of the 2030 sustainable development agenda: 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」実施に向けた国家活動計画) を策定することで、SDGsをローカライズしました。NAPの策定にあたり、SDGsの17のゴール・169のターゲットに照らし合わせながら、ベトナム計画投資省主導の下、ベトナム各省庁、地方政府、開発パートナー等と共に、既存の開発戦略、政策、計画が見直されました。そこで得られた所見、各関係者からの提案、そして複数回に渡る審議会での議論結果を踏まえて、17のゴール・115のターゲットがVSDGs(Viet Nam’s Sustainable Development Goals)として選択され、NAPに記載されています。またNAPには、ベトナム各省庁の実施責任範囲及び主導すべきターゲットも合わせて明記されています。
本文の続きはこちら → VIETJO LIFE「【第8回】ベトナムにおけるSDGsの枠組みと達成状況」
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