世界経済の回復に伴い、ベトナムでは旅行客数、ホテルの宿泊料や経営全般が改善している。その一方で、ホーチミン市内の高級ホテルでは会議・招待旅行・展示会などと観光を組み合わせたビジネストラベル(MICE)客が減少傾向にある。
不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)によると、ベトナムでは高級ホテル(3つ星~5つ星)利用客のうち65%をMICE客が占める。MICEに適した設備が整った高級ホテルが点在するホーチミン市は、かつてMICE客を多数誘致していた。しかし、最近では中部高原地方ラムドン省ダラット市や南中部カインホア省ニャチャン市が、会議やセミナーの開催地に選ばれるようになっている。
CBREはこれについて、ホーチミン市内のインフラ整備の遅れや深刻な交通渋滞が、MICEの客足を遠ざけていると指摘している。それと同時に、同市を訪れるリピーターを獲得するには、交通事情の改善により旅行客の敬遠材料を取り除くことが急務だとしている。