大賑わいの何でも市場、ライブコマースで地元の犬も販売 [特集]

　西北部地方ラオカイ省バックハー郡バックハー町で毎週日曜日に開かれるバックハー市場では、売り手が片手にスマートフォンを持ってライブ配信をしながら、もう片方の手で商品の取引を行うというライブコマースにより、大きな収益を生み出している。

　この市場は、地元の人々があらゆるものを持ち寄って交換したり売買したりする場所となっており、早朝から多くの地元の人々や観光客で賑わう。

　モン(Mong)族やタイ(Tay)族、ザオ(Dao)族、フーラー(Phu La)族などの少数民族の人々は、土曜日の夜から市場に自家製の野菜や果物を持ち込み、翌日に販売する準備をする。ほかにも米や麺、ハーブ、スパイスなどありとあらゆるものが商品として並ぶ。

　市場は織物、食品、青果物など商品の種類ごとに多数のエリアに分かれており、中でも取り扱いが最も多いのは地元産の農産物だ。また、様々な地元の料理を楽しむこともできる。

　この市場で商売をして20年以上になるホアン・スアン・ルエンさん(男性)によれば、市場は昔と比べて大きく変わったという。以前は地元の人々の単なる取引の場だったのが、今やゾーニングされ、改装もされた。また、地元の人々だけでなく、観光客も訪れるようになった。

　「市場は、商品の大小を問わず地元の人々の取引の場として、また文化交流の場としての伝統的な特徴を今も保っています。例えば地元産の野菜や果物、それから犬や猫、豚、鶏、水牛だって売買されています」とルエンさん。

　バックハー市場のユニークさは、家畜や家禽の取引を行うエリアにある。ここは、犬の取引に関してはベトナムで「最大」とされている。あらゆる大きさや色の地元の犬がここに集まり、市場で直接売買されるだけでなく、ライブコマースでも紹介され、販売される。

　ホアン・チュン・ヒエウさん(男性)は、片手にスマートフォンを持ってライブ配信をしながら、もう片方の手で取引を行う。ヒエウさんは、午前中のセッションで十数頭の犬を販売した。

　ただし、ヒエウさんによると、地元住民から犬を直接購入して顧客に販売していたころは1頭あたり数十万VND(10万VND＝約620円)の利益があったが、オンラインで販売すると注文1件あたりの利益は10万～20万VND(約620～1240円)ほどしかないという。

　この市場での1頭あたりの販売価格は数十万～数千万VND(10万VND＝約620円、1000万VND＝約6万2000円)となっている。「今日成立した取引の最高額は1頭400万VND(約2万4800円)のバックハー犬です。数千万VNDの値がついた子の取引はありませんでした」とヒエウさんは語る。

　市場で販売されている犬種は、バックハー犬やモンコック犬などのベトナムの固有種だ。中でもバックハー犬とモンコック犬は最も高値がつく犬種で、ベトナムで有名な4つの犬種のうちの2つとなっている。

　週末を利用して北中部地方ゲアン省から家族で市場を訪れたというタイ・ティ・ザンさん(女性)はこう話す。「ここは今までに行ったことのある市場の中で、子犬が一番多いですね。賑やかだし、地元の人たちも親切です。今日は、気に入った犬が見つかったら、記念に連れて帰って飼おうと思っています。まだバックハー市場に行ったことがないという人には、ぜひ足を運んでみてほしいです」。

　フランス人観光客のシャーリーズさん(女性)にとって、バックハー市場は、初めてのベトナム旅行の中で立ち寄った場所の1つとなった。

　「この市場はとても印象的です。地元の豊かな文化を垣間見ることができますし、地元の人たちも親切です。特に私は、伝統的な少数民族衣装の色がとても気に入っています」とシャーリーズさんは語った。

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