[特集]
趣味でアリを飼育する会社員、月10万円以上の副収入に
2024/05/26 10:21 JST更新
(C) tuoitre |
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ハノイ市ドンダー区在住の会社員のブイ・ゴック・クオンさん(男性)は、ストレスの多い仕事の後の趣味として、観賞用のアリを飼育している。クオンさんは、アリの個体や飼育用品を販売することで、月に2000万~3000万VND(約12万3000~18万4000円)の副収入を得ている。
世話に時間がかからず、場所も取らず、自宅にもオフィスにも置ける観賞用のアリは、ハノイ市の若者に人気のペットとなっている。
クオンさんは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行前から観賞用のアリの飼育というものを知っていた。現在、クオンさんが飼育するアリは、外来種と在来種を合わせて30種類に達している。
「小さいころから、アリが行進するところや、食べ物を探したり巣に運んだりする様子を見るのが大好きで、アリの通り道を追っていたんです。アリは小さいですが、団結力があって、チームワークの精神も強いんです。あるときユーチューブ(YouTube)を観ていたら、たまたま海外でアリをペットとして飼育している動画を目にして、自分もやってみようと思い立ちました」とクオンさんは語る。
野生のアリは生命力が強いが、箱の中でアリを飼育する場合には、飼い主自身がアリの飼育について学び、経験を積まなければならない。
しかし、これはアリを飼い始めたばかりのころのクオンさんにとって、苦労した点でもある。なぜなら、自宅でアリを飼育する方法や、種類別のアリの行動について書いた本などなかったからだ。
また、最初のころは、人工のアリの巣などの飼育用品は自作するか、海外から輸入するしかなかった。そのため、各種類にぴったりかつ高品質なアリの巣を見つけるのも一苦労だった。
「以前、アリにエサをやった後にうっかり巣の蓋を閉め忘れて、アリがみんな逃げてしまったことがあります。それから、輸送にもリスクが伴います。長時間にわたる輸送の後のアリは弱りやすいので、ちゃんとした対処方法を知らなければ、巣に移しても死んでしまいます」とクオンさん。
クオンさんが初めてアリの一団の飼育に成功したのは、ちょうど新型コロナが流行し始めた時期でもある。クオンさんは、社会的隔離措置の期間を利用して、観賞用のアリの飼育を副業にした。
「新型コロナで外にも出られず、時間がたくさんあったので、みんなにシェアしようと動画を撮影したんです。思いがけず、この動画がバズりました。アリを飼おうとする人なんてほとんどいませんし、ほとんどの人は自然界のアリしか見たことがないので、めずらしいねとか、どうやって飼うんだとか、たくさんのメッセージが届きました」。
それから4年間のうちに、ベトナムでも観賞用のアリの飼育が趣味として広まり、多くの省・市にアリの飼い主のコミュニティが生まれた。
このユニークでニッチな産業のおかげで、クオンさんは今、アリの個体や飼育用品を販売して、月に2000万~3000万VND(約12万3000~18万4000円)の副収入を得ている。
クオンさんによれば、アリは他のペットと比べて世話に時間も費用もあまりかからず、初期投資としてアリの個体を手に入れて巣を整えるのに、数十万VND(10万VND=約610円)もあれば十分だという。エサも砂糖や肉、虫などシンプルで、毎日10~15分ほど世話するだけで、アリたちは健康に育ってくれる。
「以前は、観賞用のアリの飼育に興味を持つのは若者ばかりでしたが、今では親が子供に育てさせたいと言ってアリを買いに来るケースも多いんです。自分で飼育することで、子供たちはアリの生態や習性をじかに観察することができますからね」とクオンさんは話す。
アリをペットとして飼育する際には、難易度に応じていくつかのレベルがある。初心者はレベル1で、生命力が強く、新しい生活環境にも簡単に適応できる種類を選んだほうがよいそうだ。アリの価格は、希少性や大きさ、繁殖能力によって異なってくる。
クオンさんいわく、若者もアリを飼育することでビジネスの実践ができるという。さらにクオンさんは、アリを飼育すれば勉強や仕事のストレスを軽減できるだけでなく、趣味で副収入を得ることもできるとして、これを勧めている。
[Tuoi Tre 12:10 21/05/2024, A]
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