[特集]
ホー・チ・ミン主席死去から50年、最期の日々をたどる
2019/09/01 05:18 JST更新
ホー・チ・ミン廟(ハノイ市) |
故ホー・チ・ミン主席の死去から2019年9月2日で50年を迎える。
ホー・チ・ミン主席が死去する前に護衛を担当していたチャン・ベト・ホアン氏は、病気のホー・チ・ミン主席を間近で見守り、主席が亡くなる瞬間にも立ち会っていた。ホアン氏の話によると、亡くなる1か月前の1969年8月、ホー・チ・ミン主席は重病であるにもかかわらず、1970年の主要な祝日に関する決議について政治局の報告に耳を傾けていた。
報告を聞き終わると、ホー・チ・ミン主席はベトナム共産党創立40周年、レーニン生誕100周年、ベトナム民主共和国成立25周年を祝うことにのみ同意した。しかし、自身の誕生日である5月19日を祝うのを決議に盛り込むことには同意しなかった。
主席は「もうすぐ生徒たちが新年度を迎えるというときに、紙とインクとお金を私の誕生日の宣伝に使うくらいであれば、教科書を印刷して子供たちのために学用品を購入し、無駄を省くべきだ」と話したという。
こんなこともあった。ハノイ市の鋳造で有名な村であるグーサー(Ngu Xa)の協同組合がホー・チ・ミン主席の銅像を鋳造するつもりだということがメディアで報道されると、ホー・チ・ミン主席は中央政府に人を派遣し、銅は希少であるため鋳造を止めるよう伝えた。そして、銅像を鋳造するのに使うつもりだったお金を、生徒が使う教室の建設に充てるよう提案した。
ホー・チ・ミン主席は病床でもほとんど国民のことばかり考えていた。紅河(song Hong)の堤防が決壊するかもしれないというときも、中央政府が安全区に避難するよう勧めても「国民を見捨てることはできない。国民の心配をすることが第一だ」としか言わなかった。
危険な状態の後に目が覚めるたび、まず口にする言葉は「紅河の水位は下がったか?今日は南部の同胞たちはどこで勝利したか?」だった。そのため、中央政府は万が一ハノイ市が冠水したときにホー・チ・ミン主席を安全区へ避難させるために水陸両用車を用意し、さらに国民を救助するために別の水陸両用車も多数用意した。
1969年8月12日、ホー・チ・ミン主席は、1973年のパリ協定での交渉に尽力したレ・ドゥック・ト氏とハノイ市のホータイゲストハウスで面会した。戦争を終わらせ、ベトナムの平和を取り戻すための交渉の状況に関する報告を聞くためだった。
その夜、ホー・チ・ミン主席は咳や発熱を起こし、病状は日に日に悪化していった。それでも主席は何とか仕事を続けていた。医師は8月17日の夜に執務用の家から裏の小さな家に移るよう提案した。この小さな家は、爆弾を避けるために政治局が1967年に建てたものだった。
8月30日、ホー・チ・ミン主席は重病ながらも、361師団のミサイルが米国の無人航空機を撃ち落としたと聞くと、兵士らに花を送った。また、9月2日の建国記念日(国慶節)に先立ちハノイ市の墓地に眠る戦死者にも、そしてバーディン街区第4区警察隊と第1道路交通安全隊にも花を送った。
9月1日、ホー・チ・ミン主席はとても疲れた様子だった。しかし、時にしゃきっと機敏に動き、小さなリュウガンを自分で食べることもできた。
1969年9月2日午前9時、ホー・チ・ミン主席は重度の心臓発作を起こし、ベトナムと中国の医師や教授が救命処置を行った。しかし、9時15分、心電図モニターはホー・チ・ミン主席の心臓が完全に鼓動しなくなったことを告げた。「私たちは医師と一緒に代わる代わる主席の胸をさすり、心臓がもう一度動き出すことを望んでいました」とホアン氏は回想する。
9時47分、当時の首相であるファム・バン・ドン氏が涙を流してこう言った。「同志たちよ、我々のホーおじさんはもう生き返ることはない」。享年79歳。1週間後、ハノイ市のバーディン広場で追悼式と告別式が執り行われ、何万人もの国民や海外の人々が参列した。
「ホーおじさんが去った日のことを思い出して、今日も明日も彼が残した遺産を尊重し、保存し、活用するために少しでも貢献していきたいです」とホアン氏は語った。
ホー・チ・ミン主席の死去から間もなく50年を迎える2019年8月28日、グエン・スアン・フック首相はホー・チ・ミン主席の護衛と世話を担当していた同志らと会見した。当時の話を聞いたフック首相は、主席の教えや道徳的な模範は常に党幹部や党員らが進むべき道を指し示してきたと強調した。フック首相はさらに、ホー・チ・ミン主席に仕え、護衛してきた人々の功労に心からの敬意を表した。
[VnExpress 09:55 29/8/2019, A]
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