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[特集]

元駐北朝鮮ベトナム大使が語る、越朝の密接な国交の始まり

2019/02/24 05:39 JST更新

(C) news.zing.vn
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 このほど第2回米朝首脳会談の開催地がベトナムに決まり、2月27日と28日にハノイ市で開催されることになった。ズオン・チン・トゥック元駐北朝鮮ベトナム大使(任期:1992年~1996年)は、ベトナムと北朝鮮の二国間関係の発展は、現在の北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の祖父にあたる故金日成(キム・イルソン)氏が、生前にベトナムを2度訪問したことに始まると語る。トゥック元大使は大学在学中に平壌へ留学し、後に20年間にわたり駐北朝鮮ベトナム大使館で勤務した経験を持つ。

 ベトナムと北朝鮮が国交を樹立したのは1950年1月31日と早く、北朝鮮は中国と旧ソ連に次いで当時のベトナム民主共和国を承認した3番目の国家となった。このことはインドシナ戦争時代や後のベトナムにとって極めて重要な転機となった。1954年以降はベトナムと朝鮮の両国の閣僚級による相互訪問を通じて二国間関係は急速に発展した。そのなかで金日成氏は、1958年11月に公式で、1964年11月に非公式でベトナムを訪問している。

 1958年11月の金日成氏のハノイ市訪問は、当時高校生になったばかりだったトゥック元大使にとっても非常に大きな出来事だった。「当時はまだノイバイ国際空港はなく、金日成氏はザーラム空港に降り立ちました。大勢の人々が金日成氏を空港で出迎え、空港からハノイ市の中心部まで道路の両側は人で埋め尽くされていました」とトゥック元大使は回想する。

 当時の金日成氏は首相の職に就いており、この時のベトナム訪問は1957年7月に故ホー・チ・ミン主席が北朝鮮を訪問したことに対する「返礼」だった。金日成氏のベトナム滞在は11月27日~12月3日までの1週間にわたり、故ホー・チ・ミン主席と共に当時のベトナム北部で最先端の技術が導入された紅河デルタ地方ナムディン省の縫製工場を訪問し、工場のフランス人社長の家だったゲストハウスに宿泊したという。

 外交関係を樹立してから70年の間に両国は官僚の相互訪問を重ねてきた。しかし、これまでのところ北朝鮮の最高指導者がベトナムを正式訪問したのは1958年の1度のみとなっている。

 1964年には金日成氏が非公式でベトナムを再訪し、翌1965年に当時の故レ・ズアン労働党中央委員会第一書記が北朝鮮を訪問した。この時、平壌に留学中だったトゥック元大使はベトナムからの訪問団一行の出迎えに参加した。

 この非公式訪問についてトゥック元大使はこう語る。「1964年と1965年の相互訪問は非公開で行われました。当時ベトナムは戦争中だったため、抗戦について意見交換をしたのです」。会談のほか、金日成氏はベトナム滞在中に東北部地方クアンニン省のハロン湾やハノイ市のタイ(西)湖沿いのクアンバーリゾートを訪れた。

 駐ベトナム北朝鮮大使館は2010年にホー・チ・ミン博物館で、ベトナムと北朝鮮の国交樹立60周年を記念した展示会を開催し、写真や文書など相互訪問の貴重な資料が展示された。マ・チョルス駐ベトナム北朝鮮大使は展示会の開幕式で、故ホー・チ・ミン主席と金日成氏の相互訪問により、ベトナムと北朝鮮が両国間の友好関係の強固な基盤を築いたとして、こう述べたという。

 「両国と我々両国の国民は、共に戦う中で団結力や両国の党における兄弟の協力関係を築くことができた。そして、その関係は世代から世代へ、世紀から次の世紀へと受け継がれ、弛まないものとなった」。

 駐ベトナム北朝鮮大使館は、2018年12月に金日成氏の初めてのベトナム訪問から60周年を記念した展示会を開催したが、トゥック元大使はこうした展示会には必ず足を運び、写真を撮影している。高齢のため当時の記憶も曖昧になってはきたが、相互訪問を重ねるにつれて両国の関係はより密接なものとなったことは確かだとトゥック元大使。

 その証拠に、金日成氏がナムディン省の縫製工場を訪問した後に同工場は平壌の縫製工場と提携を結び、そのほか多くの合作社が両国間で提携関係を築いた。さらに北朝鮮はベトナムの抗戦も援護し、平壌には南ベトナム解放民族戦線の英雄として知られるグエン・バン・チョイの名前がついた縫製工場があるほどだ。

 「北朝鮮は私が教育を受け、長きにわたり暮らした思い入れのある場所です。北朝鮮の政府と人々が私たちを育ててくれました。お金を費やし私たちを育ててくれた場所を忘れることなどできませんよ」。

 トゥック元大使は金日成氏の孫である金正恩委員長がまもなくベトナムを訪れることに感動を隠し切れない。トゥック元大使は駐北朝鮮ベトナム大使館での任期を終えベトナムへ帰国して久しいが、現在も変わらず北朝鮮に対する深い親しみを感じ、北朝鮮の近況にも注目し続けている。

 ベトナムのファム・ビン・ミン副首相 兼 外相は、北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会政治局員 兼 国務委員会委員 兼 外相の李容浩(リ・ヨンホ)の招きを受け、2月12日~14日に北朝鮮を訪問した。ミン副首相 兼 外相は閣僚会談で、北朝鮮からの要望に基づいてベトナムの社会経済の発展や国際市場への参入の経験を北朝鮮と共有する用意があると述べた。

 朝鮮半島の問題についてミン副首相 兼 外相は、一貫して平和・安全・安定の維持を目指した対話を支持するとして、その過程に積極的に取り組む姿勢を示している。 

[news.zing.vn 05:00 15/02/2019, T]
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