[特集]
「ご自由にどうぞ」の古着市、住民の想いが貧しい人々を救う
2019/02/10 05:29 JST更新
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「余っている人はください、必要な人はご自由にどうぞ」というアイデアから生まれた「無料の古着市」が、ホーチミン市タンフー区の第1ソンキー(Son Ky)マンションの中庭で開かれており、多くの人々が出入りしている。
この古着市は、衣類や履物などの余ったものを持ち寄り、必要な人が自由に持って行けるようにとマンションの住民らが始めたものだ。
ここには、面積20m2ほどの敷物の上に1mもの高さまで衣類が積み上げられている。衣類はまだ新しく、10人以上の人々がこの山の中から好きなものを選んではビニール袋に入れていく。しかし、どれだけたくさんの人が持って行っても、衣類の山は低くなるどころか高くなるばかり。新しく衣類を持って来る人が次々と現れるからだ。
ある夫婦は5歳の娘を連れてこの古着市にやって来て、娘のためにスカートを選んでは試着させていた。「テト(旧正月)に娘にいくつか服をあげたいと思って。ここにはまだ新しいものがたくさんありますよ」と、はしゃぐ娘のそばで男性は嬉しそうに語る。
3~4着を選んだ夫婦は、「少しだけ選んで、あとはこれから来る人のために残しておきます」と言って帰って行った。夫婦は、必要な人のためにと、自宅へ帰ってから自分たちの不要な衣類をまとめて、またここへ来るのだという。
同市12区に住む女性もまた、10人近くもいる孫たちがテトに着るための服を探しに来ていた。この女性はほかにも、自宅や仕事場で着るための服も袋に詰めた。「ここから4km離れたところに住んでいますが、着る服を探すためにここへ来ました。これで服を買う分のお金をテトのほかのことに使えます」と話す。
このマンションの1階に住んでいるゴ・ホン・グエンさん(男性・46歳)は、最初に古着市のアイデアを出した3人のうちの1人だ。グエンさんは、この古着市がわずか半月でこんなにも注目されることになろうとは思ってもみなかったという。
「体型が変わったり、子供が大きくなったりして着られなくなった服を必要な人に譲る、というのが私の最初のアイデアでした。少しずつシェアされ、多くの人が来てくれるようになりました。私たちは当番制で服を受け取り、必要な人が選んで持って行けるように整理しています」とグエンさん。
今ではあまりにも多くの衣類が集まるため、グエンさんらはトラックを借りて市内のビンロック工業団地へ衣類を持って行き、工業団地内でも貧しい労働者のために無料の古着市を開いている。さらにグエンさんは今後、南中部高原地方の貧しい地域にも古着市を広げたいと考えている。
[VnExpress 15:18 1/2/2019, A]
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