[特集]
「ベトちゃんドクちゃん」分離手術から30年
2018/10/07 05:43 JST更新
(C) congan |
今から30年前の1988年10月4日、ベトナム戦争時に米軍が散布した枯葉剤の影響で結合双生児として生まれた「ベトちゃんドクちゃん」の分離手術がホーチミン市ツーズー産婦人科病院で行われた。
兄のベトさんは2007年10月6日に26歳の生涯を閉じたが、弟の「ドクちゃん」は家庭を持ち、2人の子供のお父さんとなった。これは、世界の医療の歴史において公表された19件の類似ケースと比べても前例のないことだった。
「ベトちゃんドクちゃん」分離手術の知られざる裏側【前編】
https://www.viet-jo.com/news/special/160129055312.html
「ベトちゃんドクちゃん」分離手術の知られざる裏側【後編】
https://www.viet-jo.com/news/special/160219064457.html
2018年10月4日、「ベトちゃんドクちゃん」の分離手術成功から30年を記念する式典がツーズー産婦人科病院で行われた。
当時ホーチミン市第2小児病院外科部長で、分離手術の外科チーム長を任されたチャン・ドン・アー医師は「当時、分離手術はベトナムに限らず世界でみても大変なことでした。しかし手術は無事に成功し、その成功がベトナムの人々に誇りと名誉を与えました」と述べた。
またアー医師は、「兄のベトさんは手術の前から植物状態でしたが、人工肛門をつけ、手術後も19年間を生き抜きました。これは医療、そしてツーズー産婦人科病院および病院の平和村の人々の熱心なケアによる奇跡です」と話す。
弟のドクさんは今年で37歳。2006年に結婚し、2009年に男女の双子が生まれた。現在はツーズー産婦人科病院平和村に勤めている。2人の子供には、それぞれ富士山と桜にちなみ、男の子を「グエン・フー・シー」、女の子を「グエン・アイン・ダオ」と命名している。
この30年間、ドクさんには数えきれないほどの困難と苦難があった。ドクさんは、「医師の献身的なサポートのおかげで、まるで2度目の人生に生まれ変わることができたようです。皆さんに本当に感謝しています。この第二の人生を私に与えてくれた第二の父・第二の母の恩に報いるため、より良い人生を、そして意義のある人生を生きるよう毎日自分に言い聞かせています」と話した。
[Cong an 18:07 04/10/2018, A]
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