VIETJO - ベトナムニュース 印刷する | ウィンドウを閉じる
[特集]

ホーチミンの市場で手作りおこわを売って30年の「ハーおばさん」

2018/04/22 05:29 JST更新

(C) thanhnien
(C) thanhnien
(C) thanhnien
(C) thanhnien
 ホーチミン市1区トンタットダム通り(Ton That Dam)にあるトンタットダム市場(オールドマーケット)で長年にわたり天秤棒でおこわを売っている「ハーおばさん」ことレ・ティ・トゥー・ハーさん(57歳)は、天秤棒とともにサイゴンの盛衰と移り変わりを目の当たりにしてきた。

 ハーさんの名前と妹の名前を並べた「ハー・ズン(Ha Dung)」の文字の小さな看板をぶらさげた「店」は、毎日14時から19時まで営業している。

 店には、ナンバンカラスウリのおこわ(Xoi Gac)、ピーナッツのおこわ(Xoi Dau Phong)、緑豆そぼろのおこわ(Xoi Vo)、トウモロコシのおこわ(Xoi Bap)、チェー(Che、ベトナム風ぜんざい)、茹でトウモロコシ(Bap Luoc)などが色とりどりに並ぶ。

 中でも最も有名なのは、トウモロコシのおこわとドリアンそぼろのおこわ(Xoi Vo Sau Rieng)だ。各種おこわと茹でトウモロコシは8000VND(約38円)、このほかバインテット(Banh Tet、ちまき)も小さいものが8000VND(約38円)、大きいものが1万2000VND(約57円)で売っている。

 ハーさんは家庭を持たず、数十年にわたりおこわを手作りして売ってきた。「私は十何歳かの子供のころからおこわを売っていました。おこわは全て私たち姉妹の手作りで、1日中作って午後に売る分がやっと間に合うくらいです。チェーも手作りです。もちもちして香ばしいおこわを作りたければ、良いもち米を選ばなければいけませんし、水に浸す時間にも注意しなければいけません。毎日20kg以上は作っていますよ」とハーさん。

 ハーさんは、トウモロコシのおこわとドリアンそぼろのおこわはバナナの葉で包んで、他はビニール袋に入れて売る。その理由についてハーさんは、「とうもろこしとドリアンの2種類のおこわには、緑豆の『そぼろ』がかかっていて、ほかほかのまま食べたほうがおいしいのでバナナの葉で包むんです。バナナの葉で包むことで、おこわの良い香りがわかります。他の種類のおこわは、ほこりを防ぐため、またもち米の柔らかさを保つためにビニール袋に入れています」と話す。

 ハーさんのおこわ店の常連客であるゴック・チャムさん(女性・30歳)は、ハーさんのおこわについてこう語る。

 「午後にお腹がすくと、よくここでおこわを買います。量がちょうどいいんです。多くの人は、ハーおばさんのドリアンそぼろのおこわが珍しくて風味も独特で好きですね。でも、ここは何でも美味しいです。ナンバンカラスウリのおこわはもちもちで香ばしく、ドリアンそぼろのおこわやトウモロコシのおこわは濃厚な味わいです。チェーも甘さがほどよくて美味しいですよ。なので、友人や同僚たちにもたくさん紹介しているんです」。

 「家庭も持たず、誰の助けもなくて悲しいでしょう」と記者からたずねられたハーさんは、「好きな仕事をしているのだから、何も悲しいことはありませんよ。私は『心』で調理をしています。いつかお客さんに嫌われたり、応援してもらえなくなったりしたときこそ悲しいでしょうね」と語った。 

[Luu Tran, Thanh Nien, 12:03 - 09/04/2018, A]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.


このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。

印刷する | ウィンドウを閉じる