[特集]
チャム族女性が作る伝統のパンケーキ「バインボー」
2018/03/04 05:16 JST更新
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メコンデルタ地方アンザン省のアンフー郡、チャウフー郡、チャウタイン郡には、ベトナムの少数民族の1つであるチャム族の人々が多く住んでいる。伝統的な民俗料理の中でも彼らが好み、日々の生活や行事にいつも出てくる料理こそ「チャム族のパンケーキ(Banh bo Cham)」だ。
チャウタイン郡ビンハイン村に住むハン・フィー・ソンさんは、「チャム族のパンケーキは、クメール族やキン族(ベト族)のパンケーキと粉の作り方から味付け、焼き方まで違います。チャム族にとってパンケーキは伝統的な食べ物なので、チャム族の女性のほとんどが幼いころから作り方を知っています」と話す。
ソンさんによると、パンケーキの作り方はこうだ。まず、米粉と酵母、少量の水をボウルに入れて、ダマがなくなるまでよく混ぜ合わせる。このタネを80度に熱したオーブンの中で3時間から3時間半ほど寝かせた後、オーブンの熱を切ってさらに寝かせる。
次に、タネを小鍋に入れて、少量のココナッツミルクと水、塩、砂糖、タピオカ粉を加えて弱火にかけ、沸騰させて混ぜ合わせる。風味を豊かにするため、「トットノット(Thot not)」と呼ばれるオウギヤシ(パルミラヤシ、シュガーパーム)の水分を加えて工夫する人も多い。
その後、ココナッツの水分とごまを加えて、パンケーキの型に薄く流し入れる。ここでのポイントは、型にかぶせるふたをあらかじめ熱しておくことだ。
アンフー郡に住むハー・サー・マットさんは、「ふたを熱しておくと、パンケーキの表面がきれいな黄金色になるんです。表面が良い感じに割れて、おいしそうな香りがたつんですよ。燃料は、熱が均等にいきわたる乾燥させたココナッツの殻がベストです」と説明する。
焼きあがったら、型から外してココナッツミルクとごまと一緒に食べる。チャム族にとってこのパンケーキは、祖父母や両親、親戚の間に代々伝わる「贈り物」であり、孝行の心やチャム族の魂をあらわすものでもあるのだ。
[To Phuc Hung, Thanh Nien, 20:39 - 24/02/2018, A]
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