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[特集]

赤ちゃん取り違え、43年経て本当の家族と再会

2017/11/05 05:22 JST更新

(C) tuoitre
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 ハノイ市バーディン区の産科病院で1974年、病院のミスにより赤ちゃんの取り違えが起こった。ばらばらになった本当の家族は43年間にわたり別々の人生を送ってきたが、このほどついに互いを見つけ出し、再会を果たした。

 取り違えによって数奇な運命を辿ることになったのは、1974年10月10日に同病院で産声を上げたタ・ティ・トゥー・チャンさん(43歳・バーディン区在住)ともう1人の女性だ。

 チャンさんの育ての母はグエン・ティ・マイ・ハインさん(65歳・同区在住)。ハインさんは43年前の10月10日、同病院で女児を出産。女児の体には「33」の番号が書いてあったが、赤ちゃんを産湯につけた後に番号が「32」の女児を引き渡された。

 番号が違うことを不審を思ったハインさんは反発したが、担当の看護婦は「この子1人しかいないので、間違いのはずがありません。産湯で番号が薄くなってしまい、32に見えただけです」と言い切ったという。

 取り違えだと疑いながらも、ハインさんはチャンさんを本当の子供として育てた。ハインさんはチャンさんが22歳になった時にこっそりDNA鑑定を行い、彼女が実の娘ではないことを確認したが、チャンさんに真実を伝えたのは夫が死去した2015年、チャンさんの41歳の誕生日のことだった。


 チャンさんは幼い頃から自分の風貌が家族と似ていないことに気づいていたが、家族の愛を受けていたため、自分の血のつながりには疑問を一切抱いていなかった。

 こうした中、「死ぬ前に実の娘と再会したい」というハインさんの夢を実現しようと、チャンさんの子供は家族探しに関する情報をフェイスブック(Facebook)に掲載した。

 この情報はあっという間に拡散され、バーディン区警察と複数の新聞社も協力しての家族探しが行われた。そして2016年末、ハインさんは実の娘を、そしてチャンさんも実の親を見つけ出すことができたのだった。

 「DNA鑑定をしたい」と提案したチャンさんだったが、問題を起こしたくないという理由で相手側の返事は否定的なものだった。しかし、懸命な説得により鑑定を受け入れてもらい、2016年末に女性2人のDNAがそれぞれ相手側の両親のDNAと99.9%一致しているとの結果が出た。これにより病院での取り違えが証明されたが、この不幸な事実は相手側の家族に大きなショックを与えることとなってしまった。

 その後、落ち着きを取り戻した両家は、テト(旧正月)や先祖の命日などに一緒に食事を楽しむなど良好な関係を築いているという。「本当の娘と再会できた私も、私と会えた実の娘もとても喜んでいます」と語るハインさん。チャンさんも、「父と母が2人増えて幸せです」と喜びを語った。 

[Tuoitre, 23/10/2017 16:29 GMT+7, A]
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