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[特集]

片腕の退役軍人、卓球でメダル40個以上を獲得

2016/01/03 05:25 JST更新

(C)VnExpress,Tu Anh
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 ベトナム戦争で利き腕の右腕を失いながら、その後卓球に夢中になり、国内外の障害者スポーツ大会でメダルを40個以上獲得した男性がいる。ブー・バン・ソアンさんだ。  ソアンさんは紅河デルタ地方ハイズオン省の村で生まれ育った。1971年に軍に入隊し、1972年の北中部クアンチ省での激戦で、右腕の肩から先を失い、左手と右足にも重傷を負った。1973年に109病院に入院した際には、全身の47か所に傷を負い、体重は29kgしかないほどやせ細っていた。しかし4年間の治療とリハビリで徐々に健康を取り戻し、左手を使うことにも慣れていった。1981年には故郷に帰り、戦争中は民兵だったという女性教員と結婚した。  卓球との出会いは偶然だった。1996年末に村の政府機関が移転することになり、所有していた卓球台をソアンさんの自宅近くの場所に預けていった。ソアンさんは、村人達が卓球を楽しんでいるのを見ているうちに、このスポーツに引かれていった。  ただ、子供の頃から一度も卓球をしたことがないソアンさんには、練習さえままならなかった。へたくその練習相手になるのを嫌がる人が多く、毎日の練習時間は5~10分程度しかなかった。程なくして卓球台は元の政府機関に引き取られていった。

 それでもソアンさんの卓球熱は冷めなかった。自分で卓球台を購入したばかりか、友人らから借金して卓球場を建設した。彼は遊びに来る人を歓迎したが、必ず自分の練習相手になるよう求めた。  強い意志力と絶え間ない努力の結果、ソアンさんは徐々に腕を上げ、ハイズオン省の障害者卓球チームの選手に選ばれるまでになった。2002年に行われた全国障害者スポーツ大会で金メダルを獲得。2003年にベトナムで開催されたASEANパラゲームズでは、開幕式で選手宣誓の大役を担った。その後は数々の大会でメダルを獲得した。  2013年に体調を崩してから、ソアンさんの健康状態は不安定になった。古傷が痛み、時に出血することもあるため、以前と同じように試合をすることはできなくなった。それでも運命に降参するつもりはないという。70歳近くになった今も、地元の人々を相手に無料で卓球教室を開いて指導を続けている。  ソアンさんは「健康状態が許す限り、卓球と共に生きたい。卓球は喜びであり、苦痛を乗り越える原動力でもある。卓球がなかったら、今こうして歩いたり普通に生活することはできなかっただろう」と語った。  

[VnExpress,24/12/2015 | 15:14 GMT+7,O]
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