[特集]
ホーチミンの名所、聖母マリア教会の知られざる内部
2015/07/26 05:34 JST更新
(C) vnexpress, ドゥックバー教会 |
(C) vnexpress, 教会内の主祭壇 |
(C) vnexpress, 鐘 |
(C) vnexpress, パイプオルガン |
ホーチミン市1区中心部に位置するドゥックバー(聖母マリア)教会は、完成から今年で135年を迎える。教会内部には、30t近い6つの鐘やベトナムで2番目に古いパイプオルガン、大きな時計など、一般にはほとんど知られていない歴史が詰まっている。
ドゥックバー教会の歴史
ドゥックバー教会は、ホーチミン市大司教区の大聖堂で、同市を象徴する建物の一つとなっている。フランス植民地時代の1877年に着工され、3年後の1880年に完成した。
全長91m、幅35.3m、丸天井の高さは21m、2つの鐘塔の高さは約57m。使われているセメント、鉄鋼、ネジはすべてフランスから取り寄せたものだ。建物の外壁にはマルセイユの裸レンガが使用され、レンガは今なお鮮やかな紅色を保っている。
6つの鐘
鐘塔の階上は地上から37mの高さにあり、薄暗い。床は小さな木材が大雑把に並べられているだけで、下を覗くと木材の隙間から地上がよく見える。ホアビン小学校側の鐘塔には「ラ」と「ド」の音の2つの鐘があり、中央郵便局側には「ソ」「シ」「ミ」「レ」の4つの鐘がある。
鐘の中で一番大きいものは、8475kgの「ソ」の音。続いて「ラ」の音が5931kg、「シ」の音が4184kg、「ド」の音が4315kg、「レ」の音が2194kg、「ミ」の音が1646kgとなっている。6つの鐘はいずれも1879年にフランスで鋳造されたもので、総重量は30t近くに上る。
これらの鐘は、地上で電子操作されている。6つの鐘を同時に鳴らすと、鐘の音は独特な音色で10km先まで響くのだという。
パイプオルガン
教会内の主祭壇の正面には、パイプオルガンが置かれている。オルガンは、本体の高さが約3m、横幅4m、奥行き2mで、現在ベトナムで2番目に古いオルガンだと言われている。外国人専門家が手作業で作ったものだといい、音量は小さすぎず大きすぎず、教会全体に丁度よく音が響き渡るように設計されている。
オルガンの内側はピアノと似た設計だが、ピアノよりも複雑だ。オルガンの弾き方は、南中部高原地方の伝統的な楽器「クロンプット」に似ている。しかしながら、保存状態が悪かったため、このオルガンは完全に壊れてしまい、今はもう使われていない。
大きな時計
2つの鐘塔の間には、ドゥックバー教会の時間を刻む大きな時計の機械部分が置かれた部屋がある。機械部分は、教会正面の外壁に設置された時計と鉄の軸で繋がっており、時計の機械は、高さ約2.5m、奥行き約3m、そして横幅は1m以上ある。
時計の時間を合わせるため、機械の後ろには別のアラーム付き時計が置かれている。このアラーム付き時計を追いながら、教会の大きな時計が遅れているか、早まっているか、正しい時刻を刻んでいるかどうか確認するのだ。
ドゥックバー教会は、135年を経てかなり老朽化が進んでおり、特に長い年月、雨風にさらされた屋根は深刻な状態となっている。これに伴い、年内にも大規模な修復工事が開始される計画だという。
[Huu Cong, VNExpress, 6/7/2015 | 00:00 GMT+7, A]
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved.
このサイトにおける情報やその他のデータは、あくまでも利用者の私的利用のみのために提供されているものであって、取引など商用目的のために提供されているものではありません。弊サイトは、こうした情報やデータの誤謬や遅延、或いは、こうした情報やデータに依拠してなされた如何なる行為についても、何らの責任も負うものではありません。