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[特集]

在日ベトナム人歌手の「花は咲く」、ベトナム語で伝える日本の心

2015/07/05 06:00 JST更新

(C) Hai Trieu
(C) Hai Trieu
 日本放送協会(NHK)による東日本大震災支援プロジェクトのテーマソング「花は咲く」をベトナム語でカバーし歌い広めている在日ベトナム人歌手がいる。



 ハイチュウ(Hải Triều)さんは、日本に住むベトナム人歌手だ。北中部トゥアティエン・フエ省に生まれ、幼い頃から音楽に親しみ、数々の音楽コンクールで賞を受賞した。2000年に日本へ留学し、2006年には母国で歌手として日の目を見た。その後、日越両国のイベントで日本語の歌をベトナム語でカバーし歌うなど、歌手として、また日越の架け橋としてキャリアを積んできた。



 長きにわたり日本と深く関わってきたハイチュウさんは、「花は咲く」をテレビで聴いたことがきっかけで、自ら歌詞を日本語からベトナム語に訳し、自ら歌い、動画サイトで発表した。ベトナム語タイトルは「Và hoa sẽ nở(ヴァーホアセーノー=「花は咲く」)」。



 「2011年3月11日の東日本大震災の後、テレビで何度も『花は咲く』が歌われていて、それを聴くたびに深い感動を覚えました。同時に、震災の痛ましい写真の数々が心の中に浮かびました。こうした想いから、この歌をベトナム語に訳したいと思ったのです。ベトナム語の歌詞は、自然とすぐに浮かんできました」とハイチュウさんは語る。





 ハイチュウさんは、日本人のことを心から尊敬しているという。震災後の行動、支援、そして皆が一緒になって短期間でふるさとを復興したこと…震災に立ち向かう日本人を目の当たりにして、外国人は皆、日本人に感服したという。



 歌詞を日本語からベトナム語へ訳す際に大変だったことは?とたずねると、「ベトナム語は単音節ですが、日本語は多音節が多いので、ベトナム語に訳すと音数が不足してしまいます。元の歌詞の意味を保ちながら、音数を埋める作業は大変でした。日本語の歌詞で『わたしは何を残しただろう』という部分は、人生の無常を表すため、仏教の言葉を借りて訳しました。原文の意味とも合っています」と教えてくれた。



 「花は咲く」のベトナム語バージョンは現在、動画サイトのユーチューブ(Youtube)などで視聴できる。「ベトナム語バージョンがもっと多くの人々に広まり、日越の文化交流イベントなど様々なシーンで歌われるようになれば」と、ハイチュウさんは願う。



 ハイチュウさんは現在、主な活動拠点を東京に置き、日本人とベトナム人から成るバンド「シクロ(Cyclo)」のボーカルとして活躍している。ハイチュウさんの活動の様子は、フェイスブック(Facebook)のファンページ<https://www.facebook.com/haitrieumusic>に記されている。 

[Duc Tri, VNExpress, 23/6/2015 | 16:02 GMT+7, A]
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