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[特集]

ヌクマム、石鹸、歯磨き粉…今に残る懐かしのブランド

2015/05/31 06:07 JST更新

(C) zing
(C) zing
 「リエンタインのヌクマム」、「ビックチーの米粉」、「トンニャットのマッチ」…既に表舞台からは姿を消したブランドの品々だが、懐かしの商品として今も一部のベトナム人から人気を得ている。



リエンタイン(Lien Thanh)のヌクマム

リエンタインは100年以上の歴史を持つメーカーで、創業はフランス植民地時代に遡る。1906年、ファン・チャウ・チン(=ファン・チュー・チン)が起こした近代化を目指すズイタン(維新)運動に乗じて、リエンタイン社は数人の愛国者たちによって南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット市で設立された。時は流れ、いつしか同社のヌクマムは姿を消したが、1997年に復活した。





バーおばさん(Co Ba)の石鹸

1932年、名の知れたビジネスマンのチュオン・バン・ベン氏が工場を開設し、ベトナム石鹸の生産を開始した。彼は商品のイメージキャラクターとして南部出身の女性「バーおばさん」を起用。ベトナム石鹸は、フランスから輸入されたマルセイユ石鹸を圧倒した。ラオス、カンボジアなど広い地域で使用され、香港などいくつかの国に輸出もされた。しかしその後、同社は米国のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と合併し、バーおばさんの石鹸は生産停止となった。最近になってフオンドン社(Phuong Dong)がこのブランドの復活に踏み切り、商品はホーチミン市のいくつかのスーパーに並ぶようになっている。







ビックチー(Bich Chi)の米粉

「ビックチー」は乳児向けの米粉で、1960~1990年台にお馴染みだったもの。販売のピークは1970~1975年で、ホーチミン市からメコンデルタ地方、南中部地方まで広く用いられた。現在に至るまで多くの人に好まれているが、スイスのネスレ(Nestle)、ビナミルク[VNM](Vinamilk)などの大企業との競争には苦戦している。





チュックバック(Truc Bach)のビール

1957年、「ハノイビール工場」が稼動を開始。1958年8月15日、最初のビールが誕生し、「チュックバック」と命名された。しかし1980年代に入り、国にとって厳しい時代が来ると、高級なチュックバックビールは人々の手に届かないものとなり、生産は停止となった。2010年にハノイビール・アルコール飲料総公社(HABECO=ハベコ)が再販を始めた。





ランハオ(Lan Hao)のシャンプー

かつて「ボーケット(Bo Ket)」と呼ばれる植物を原料としたシャンプーが代表的な商品だったランハオ社は、化粧品ブランドの王座を維持していた。1968年、「トラカオ(Thorakao)」というボーケットのシャンプーが南部で広く販売され、カンボジアにも支店を出して東南アジア全域に販路を拡大した。現在も商品は存在するものの、海外メーカーに押されて市場の中心からは遠く離れてしまい、主にカンボジアへ輸出されている。





ザラン(Da Lan)の歯磨き粉

1993年から1994年にかけて台頭し、国内で70%のシェアを占めた。しかしその後、創業者のチン・タイン・ニョン社長が米国のコルゲート・パーモリーブ(Colgate Palmolive)に300万USD(約3億7000万円)で会社を売却。2009年にインターナショナル・コスメティクス社(International Cosmetics=ICC)に所属したまま、再びニョン氏の手によってベトナム市場に戻ってきた。







ヒュノス(Hynos)の歯磨き粉

20世紀初頭にサイゴンで生まれ育った人たちにはお馴染みの歯磨き粉で、にっこり笑い真っ白な歯をのぞかせた黒人男性のイラストを思い出す人も多いだろう。これもまたベトナム市場を沸かせていた商品だ。2007年、P/S社がヒュノスを復活させ農村部で販売を始めたが、売上は低迷。現在は都市部のスーパーでも販売している。





カオサオバン(Cao Sao Vang)の軟膏

1990年代にはどの家庭にもカオサオバンの軟膏(タイガーバームのようなもの)があった。現在、この商品はインターネットを通じて世界中の人々に高値で売買されている。あるウェブサイトでは、1箱5~7万VND(約280~400円)と、ベトナムの約30倍の価格で販売されている。評判も良く、アマゾンなどのウェブサイトでも品薄となっている。





ミリケット(Miliket)のインスタント麺

コルサ・ミリケット(Colusa - MILIKET)食品加工会社のインスタント麺ブランド「ミリケット」は、1990年代に「エビ入りインスタント麺の王様」と呼ばれるほどの人気を博した。コルサ社とミリケット社はもともと別会社だったが、2社が合併して市場の絶対的なシェアを勝ち取った。ベトナム人の老若男女にとって馴染みのインスタント麺で、現在でも多くの消費者に支持されている。





トンニャット(Thong Nhat)のマッチ

マッチの箱には白鳩印の伝統あるロゴが印刷されており、下の面には「トンニャットマッチ」の文字と社名が入っている。まだライターが普及していなかった頃、トンニャットのマッチは生活の中での必需品だった。現在でも全国で広く用いられている。

 

[Ngoc Lan, Zing, 06:36 24/04/2015, A]
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